オゾンの人体に対する影響について|オゾンは人体に有害なのか?

除菌・脱臭を行う手段として幅広く利用されているオゾン。
現在では人工でオゾンを発生させるオゾン発生器も家庭・業務用ともに市販されています。
しかし、オゾンに対して、公害や人体への影響などを心配されている方も多いのではないでしょうか?

そこで、このコラムでは、オゾンの特徴とその有害性を解説した上で市販のオゾン発生器を安全に利用する方法をご紹介したいと思います。

オゾン漫画
オゾンイメージ画像

オゾンとは、O₃という分子式で定義される物質です。

強い酸化力を持ち、かつ無公害なので除菌・脱臭・脱色などの用途で幅広く利用されています。

オゾンは分解しやすい → 強い酸化力を発揮

オゾン分解図

オゾンは分解しやすいため、容易に酸素分子(O₂)と酸素原子(O)に分かれます。

この酸素原子(O)は極めて反応性が高いため、これが強い酸化力の源となっており、この酸化作用が除菌・脱臭に使われます。

また、残存したオゾンはすべて酸素分子となるので無公害です。

独特の生臭い臭いがします。臭いが強い場合は注意!

人間の嗅覚だと、低濃度でもオゾンの臭いを察知することができます。

高濃度になればなるほど臭いは強くなりますので、注意が必要です。

結論から言うと、オゾンは高濃度になると人体に有害ですが、高濃度オゾンにさらされないように注意すれば安全に利用することができます。

オゾンはどのくらいの濃度が危険なのか?

オゾンの濃度と人体への影響に関して、以下のようなデータがあります。(杉光英俊『オゾンの基礎と応用』より引用)

オゾン [ppm]作用
0.01 – 0.02多少の臭気を覚える(やがて慣れる)
0.1明らかな臭気があり、鼻や喉に刺激を感じる
0.2 – 0.5未満3 – 6時間曝露で視覚が低下する
0.5明らかに上部気道に刺激を感じる
1 – 22時間曝露で頭痛、胸部通、上部気道の渇きと咳が起こり、曝露を繰り返せば慢性中毒にかかる
5 – 10脈拍増加、体痛、麻酔症状が現れ、曝露が続けば肺水腫を招く
15 – 20小動物は2時間以内に死亡する
50ヒトは、1時間以内で生命が危険になる

※ppm:100万分の1の意味。上記の場合、1ppmは空気中に体積比0.0001%含まれることを意味する。

実は、空気中には通常0.005ppm程度のオゾンが含まれているのですが、私たちはその程度の濃度ではオゾンの臭いを感じておらず、普段は意識もしていません。

オゾンの臭いがするのは0.01ppm ~ 0.02ppmからであり、人体に有害となるラインが0.2ppm ~ 0.5ppmです。

ここから強いオゾン臭を感じたり体に異変が生じたりしますので、気を付けましょう。

ちなみに、0.1ppm程度のオゾンであれば、万が一吸ってしまっても短時間・少量であれば問題はありません。

日本では、「8時間労働環境におけるオゾンの濃度に関して、0.1ppmまでであれば安全」という基準も設定されています。

長時間、多量に吸わないようにすることが重要です。

「オゾン発生器」をチェック

オゾンはある一定の濃度を超えると人体に有害となりますが、有害なレベルのオゾンにさらされない・吸わないことを徹底すれば、安全に利用することは十分に可能です。

利用する際は、以下の点に気を付けましょう。

高濃度のオゾンが存在する空間に入らない、その中で作業をしない

オゾンによって除菌や脱臭を行う場合、例えば高濃度のオゾンを部屋などの空間中に放出する方法があります。
この場合、その空間に人が入らないようにすることが鉄則です。

オゾン臭を感じたり鼻や喉に刺激を感じたら換気をする

オゾンを空気中に放出すると、放出されたオゾンが分解して酸化作用を発揮して除菌・脱臭を行ってくれます。

オゾンは分解すると酸素になるので有害な物質は残存しないのですが、高濃度の場合、時間がたってもオゾンが残存している場合があります。

この場合、除菌・脱臭が終わってもオゾン臭を感じたり鼻や喉に刺激を感じることがありますので、オゾン臭がしなくなるまで換気して空気を入れ替えましょう。

4.オゾン発生器のタイプと安全な利用方法

オゾンを安全に利用する上での注意点はこれまで述べた通りです。

しかし、実際に市販のオゾン発生器を利用するとなると、メーカーやタイプによって放出するオゾンの量が異なりますので、安全な利用方法も変わってきます。

ここでは、弊社が販売するオゾン発生器を例に、無人環境用と有人環境用のオゾン発生器の特徴と利用例をご紹介したいと思います。

無人環境で使用しなければならないオゾン発生器

オースリークリア2

オースリークリア2

オースリークリア2はオゾン生成量300mg/hの高濃度オゾン発生器です。

高濃度の気体オゾンを空間の隅々にまで放出することで、雑菌や悪臭の原因物質を根本から酸化・分解し、強力に除菌・脱臭を行うことができます。

基本的な利用方法は以下のようになります。

(1)まずオゾンを放出する部屋・場所を必ず無人にします。(高濃度オゾンを発生させるため)

(2)本体に付属の放出用チューブを取り付けて、チューブの先からオゾンを放出するようにオゾン発生器を設置します。

オースリークリア2を使用している様子

(3)本体の電源を入れて、一定時間オゾンを放出させます。
タイマー機能が付いているので、消し忘れを防ぐために、1 ~ 40分まで運転時間を設定することができます。

(4)放出中はオゾンが外に漏れないようにできるだけその部屋・場所を閉め切りましょう。
一定時間オゾンを放出させたら、オゾンが空気を除菌・脱臭してくれるのでそのまましばらく待機します。

(5)待機が終了したら、ドアや窓を開けるなどして必ず換気しましょう。
基本的に余ったオゾンは全て酸素になるので安全ですが、作業後オゾン臭がする場合は注意が必要です。

以上でオースリークリア2による除菌・脱臭は完了です。
注意点として、オースリークリア2から発せられるオゾンは高濃度なので、絶対に放出口から直接吸わないようにしましょう。

有人環境で利用できるオゾン発生器

オゾンリフレッシュ

オゾンリフレッシュ
オゾンリフレッシュを使用している様子

運転中は一定時間のオゾン放出と一定時間の待機を繰り返します。

これにより常時その場所を除菌・脱臭することができます。

オゾンリフレッシュを利用する際の注意点

生成するオゾンの量が少ないので基本的には有人環境で使用しても問題ありませんが、やはり狭すぎる場所で使用するとオゾン濃度は高くなりますし、放出口からオゾンを直接吸い込めば人体に有害となります。

例えば、車の中で使用する場合、運転中に稼働させると長時間オゾン濃度の高い空間にいることになるのでやめたほうが良いでしょう。

また、部屋の中で稼働させる場合も、放出口には近づかないようにし、オゾン臭がしたら換気を行うように注意したほうが良いでしょう。

井上医師によるオゾンリフレッシュの性能計算

4時間空気入れ替えなしの六畳間(25000 l)でオゾンが蓄積すると考えると、24時間で、0.05ppmなので安全基準よりはるかに下で、かつ、空気の入れ替えやオゾンの自己分解(3日で半分)も考慮すると、安全である。

ただし、直接オゾンリフレッシュの排気口などに口を近づけないようにしましょう。

安全性は高いですが、オゾンの濃度として、0.05ppm程度だと、オースリークリアよりは脱臭効果が弱い傾向にあります。

以上、オゾンの人体への影響と安全に利用するための注意点について解説してきました。
オゾンは安全に利用すれば強力で無公害な除菌・脱臭手段となってくれるので是非ご活用していただきたいと思います。

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