オゾンと風邪ウイルス

 

オゾンによる風邪ウイルスの消毒・殺菌効果を特に試験管内で評価している論文を調べました。風邪ウイルスの定義から予防の重要性、アメリカのブリガム・ヤング大学や長崎大学の研究グループ等の実験をもとに具体的な事例をもとにオゾンと風邪ウイルスについてまとめたいと思います。

オゾンと風邪ウイルス

オゾン・オゾン水とは

オゾン・オゾン水とは

オゾン(O3)とは酸素(O2)の同位体で、酸素にもう一つOが結合した化学式O3で表されます。オゾンはオゾン発生器で容易に発生でき、抗菌・抗ウイルス効果を示し、すばやく空気中の酸素に戻ることができるため、除菌と消毒ができる地球にやさしい抗菌物質として注目されています。

オゾン水とはオゾンが溶けこんだ水です。オゾン水のオゾンは酸化によって除菌した後に水に戻ることができるので、こちらも人体への害を考えずに遣うことができる消毒・除菌水として利用されています。

本記事で扱う風邪ウイルスに対してもオゾン・オゾン水は強い消毒効果があることが知られています。

風邪(風邪症候群)とウイルス

風邪(風邪症候群)とウイルス

風邪は正式には風邪症候群といわれ、英語ではcommon cold syndromeといわれます。皆さんご存じのように風邪の症状は様々で、症状はそれぞれのウイルスの感染によって引き起こされるといわれています。

風邪を引き起こすウイルスたち
http://www.jrs.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=2

日本呼吸器学会のホームページ上では、風邪は80〜90%がウイルスであり、主な原因ウイルスはライノウイルス、コロナウイルスとRSウイルス、パラインフルエンザウイルス、アデノウイルスなどが続くとしています。

また、インフルエンザのような流行性の感冒と区別され、風邪は普通感冒といわれます。普通感冒はその多くが薬局で市販の風邪薬で対応すればよく、重症化しないことが一般的ですが、免疫力の低いお年寄りや小さいお子さんは注意が必要なこともあります。

風邪の治療方法と予防の重要性
上記のように原因ウイルスが多岐に渡っているため、ワクチンによる治療は現実味が無く、結果的に対症療法的な治療がメインになってしまいます。もちろん重症化することも少ないため、対症療法で問題になることは少ないです。

しかしながら、風邪にかかって気分が良いヒトはまずいなく、風邪をひかないこと(予防)の重要性はいうまでもありません。そこで、ウイルスの消毒(例えばオゾン)が必要になってくるわけです。

オゾン・オゾン水による風邪予防の研究紹介〜オゾンによる風邪ウイルスの殺菌

オゾン・オゾン水による風邪予防の研究紹介〜オゾンによる風邪ウイルスの殺菌

風邪ウイルスは空気中に存在し、オゾンの消毒・殺菌効果は様々なメディアで取り上げられています。そこから考えてもおそらくオゾンは風邪ウイルスに対して消毒・殺菌効果があるのでしょう。

ただ、風邪ウイルスという分類には何種類ものウイルスが含まれており、全ての風邪ウイルスに対してオゾンが消毒・殺菌効果を示しているか定かではありません。

そこで、オゾンによる風邪ウイルスの消毒・殺菌効果を特に試験管内で評価している論文を調べ、どの風邪ウイルスがオゾン消毒・殺菌の効果が検討されているのかを調査しました。

風邪ウイルス

アメリカのブリガム・ヤング大学の研究グループはヘルプスウイルス、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、A型インフルエンザウイルスに対してオゾンが殺菌効果を示すことを実験により証明しています。  
論文名:Virion disruption by ozone-mediated reactive oxygen species.J Virol Methods. 2008
Murray BK, Ohmine S, Tomer DP, Jensen KJ, Johnson FB, Kirsi JJ, Robison RA, O’Neill KL.
Brigham Young University

長崎大学の研究グループはレオウイルスに対してオゾンが消毒・殺菌効果を示すことを証明しています。
論文名;Virucidal Effect of Ozone Treatment of Laboratory Animal Viruses
Jikken Dobutsu. 1990
Sato H, Wananabe Y, Miyata H.
Nagasaki Univ.

また、ネブラスカ大学の研究グループは腸アデノウイルスがオゾンによる消毒・殺菌効果があることを示しています。
Water Res. 2005 Sep;39(15):3650-6.
Inactivation of enteric adenovirus and feline calicivirus by ozone.
Thurston-Enriquez JA1, Haas CN, Jacangelo J, Gerba CP.
University of Nebraska East Campus

色々と検索しましたが、オゾンによるライノウイルスとコロナウイルスの消毒・殺菌の先行研究は見つかりませんでした。全く検討されていないことはないと思いますが、ライノウイルスとコロナウイルスのオゾンによる消毒・殺菌はまだ科学的な根拠は出揃っていないのかもしれないと考えられます。

ライノウイルスの予防の難しさから考えるオゾンによる殺菌の難しさ

ライノウイルスの予防の難しさから考えるオゾンによる殺菌の難しさ

ここで、こうしたオゾンによる消毒・殺菌の例とは少し違う議論をライノウイルスに着目して紹介させていただきます。ライノとはラテン語で鼻を意味し、ライノウイルスはその名の通り鼻風邪を引き起こすウイルスです。

古典的に風邪の原因であることが知られており、100種類以上の亜型があることからワクチンの生成は難しいとされています。ワイル・コーネル・メディカル・カレッジの研究グループが2013年にまとめたレビュー論文にライノウイルスの亜型、感染機構、予防が詳細に記述されています。

詳細は割愛しますが、手洗いやビタミンC摂取によるライノウイルス感染の先行研究を列挙しながらライノウイルスが引き起こす風邪への予防の難しさが記述されています。

Human Rhinoviruses
Samantha E. Jacobs, Daryl M. Lamson, Kirsten St. George, Thomas J. Walsh
Clin Microbiol Rev. 2013

上に述べさせていただきましたようにライノウイルスによる感染症は予防が難しく予防法の確立は喫緊の課題です。ライノウイルスがオゾンによって消毒・殺菌されるかどうかを試験管内で検討した研究は筆者が調べた限りありませんが、ヒトへのライノウイルス感染の予防にオゾンが役立つかを調べた研究がありましたので、紹介させていただきます。

Experimental rhinovirus infection in human volunteers exposed to ozone 1988

こちらの研究論文は1988年にノースカロライナ州立大学の医学部の研究グループから報告されたもので、ライノウイルスによる感染症に対してオゾンは影響を及ぼさないことを報告しています。

研究グループはオゾン暴露が鼻分泌物中のライノウイルス力価、鼻汁中への好中球の動員、鼻腔洗浄液中のインターフェロンのレベル、ライノウイルス抗原に対する試験管内でのリンパ球増殖応答、または39型ライノウイルスに対する回復期血清中和抗体のレベルに影響を及ぼさなかったことを示しました。

免疫系の専門的な用語が多いですが、つまりライノウイルスによるウイルス感染症に対してオゾンは何の影響も与えないのです。

これら先行研究から考えますと、ライノウイルスはオゾンと非常に相性が悪いことが示唆されています。加えて、特に風邪のような比較的軽症の感染症の場合はオゾン自体の身体への影響も合わせて考える必要があります。

オゾンが身体におよぼす影響

オゾンが身体におよぼす影響

これまではオゾンが抗菌・抗ウイルス効果があるという話をメインにさせていただいていました。しかし、一方でオゾンが生体内にある種の毒性を示すという報告もされています。

以下の論文はナショナル・ジューイッシュ・ヘルスの研究グループの論文で、オゾンがマウスに与える影響を分子メカニズムから検討し、報告しています。

Respir Res. 2015
The lung response to ozone is determined by age and is partially dependent on toll-Like receptor 4.
Gabehart K, Correll KA, Loader JE, White CW, Dakhama A.

彼らは発生期におけるオゾン暴露が不可逆的な肺の発育不全を引き起こすと、マウスを使った実験で報告しています。加えて彼らはオゾンの毒性が部分的にTLR4という受容体を介して発揮されていることもマウスを使った実験から示しています。

TLR4とはToll like receptor 4の略で、免疫系の反応に関連する受容体です。これまでの報告からオゾン暴露はケモカインの分泌を促進することが知られていました。

ケモカインとは、サイトカイン(細胞から分泌されるホルモン)の一種で特に免疫系に従事する細胞(ここでは好中球)の遊走を促進します。つまり、オゾン暴露によって分泌されたケモカインは好中球を肺に呼び寄せ、肺での免疫活動を活発にするのです。

さて、この肺での免疫反応に対してTLR4という因子がどのように関与してくるのでしょうか。TLR4自体はリポ多糖という細菌の毒性に対して応答する受容体として発見されたものですが、その後、いろいろな分子に対して反応することが報告されてきました。

TLR4の活性化による細胞内情報伝達系がオゾン暴露によって亢進することもこれまでに報告されており、この論文の筆者らはオゾンによるケモカイン分泌がTLR4を介していると仮説を立てたわけです。

予想通り、TLR4が発現しないマウス(TLR4ノックアウトマウス)ではオゾン暴露によるケモカイン分泌が部分的に抑制され、好中球の肺への遊走も抑制されていることが見出されました。

これらの結果はオゾンが特に発生期においては正常な発育を妨げる化学物質であることを示唆しています。特に肺は風邪との関連も深く、マウス実験の結果とはいえ、オゾンの使用にあたって注目すべき研究結果となっています。

オゾン・オゾン水による風邪予防の可能性

オゾン・オゾン水による風邪予防の可能性

本記事中でこれまではオゾンによる風邪ウイルスの殺菌・消毒の科学的根拠とオゾン自体が私たちの身体に与える可能性がある影響について紹介させていただきました。

特に風邪は軽症である分、オゾンが私たちの身体に与える影響もしっかりと理解する必要があると思います。ただ、オゾンが多少私たちの身体に与える影響はあれど、風邪ウイルスの殺菌・消毒にオゾンを優先的に使うべきシーンが考えられます。

それは、例えば風邪ウイルスによる感染が一生を左右してしまうようなシチュエーションです。以下ではその一例としてアスリートと風邪という題で少し議論させていただきます。

アスリートと風邪

アスリートと風邪

2018年の平昌オリンピックの際のNew York Timesの記事からの引用ですが、冬季オリンピックの一番の敵は風邪(common cold)であると述べられています。
https://www.nytimes.com/2018/02/11/sports/olympics/common-cold-athletes.html
4年に一度のオリンピックという強い緊張下の中、冬季の場合乾燥と低い気温も相まって風邪が引きやすい状況が出来上がっています。言うまでもなく風邪はアスリートのパフォーマンスに影響を及ぼすため、アスリートの風邪予防は国家としてのプロジェクトといっても差し支えないと思います。

そんな重要な風邪の予防に対して、2018年の冬季の平昌オリンピックのフィンランドチームがチーム内で風邪を予防するために行った取り組みを報告した論文です。

common cold in Team Finland during 2018 Winter Olympic Games (PyeongChang): epidemiology, diagnosis including molecular point-of-care testing (POCT) and treatment
Valtonen M, et al. Br J Sports Med. 2019

こちらの論文でもNew York Timesの記事を引用し、風邪予防の重要性を強調しながら、風邪関連のウイルスの検出に関して、分子生物学的な手法を使った新しい解析方法を提案しています。

アスリートと風邪は切っても切れない関係で、国は最新技術を使ってアスリートが風邪ウイルスに感染しないように工夫しています。全ての風邪ウイルスに対して抜群の効果を示すわけではないオゾンですが、こうした風邪ウイルスの感染が大きな影響を及ぼす場面ではオゾンによる殺菌・消毒を率先して使うべきだと思います。

オゾン・オゾン水と風邪ウイルスのまとめ

さて、風邪に関連するウイルスからオゾンによる消毒効果をご紹介させていただきました。日本語で検索するともしかしたらオゾンによる消毒効果は最もヒットするかもしれませんが、ライノウイルスやコロナウイルスに関しては先行研究がヒットしてきませんでした。

これが何を意味するのかと考えると、流行性感冒(インフルエンザやノロウイルス)に比べて普通感冒はオゾンとの相性があまりよくないのかもしれません。オゾンは高濃度にさらすと活性酸素によって上皮細胞系の免疫系に悪影響を及ぼすことが報告されています。

つまり、普通感冒に対してオゾン消毒は注意して使用する必要があるといえるでしょう。しかしながら、アスリートのような風邪ウイルスに対して特別な対応をしなければならない特殊な職業人に対しては従来の予防法に加えてオゾンによる予防法は選択肢として使用できるかもしれません。

流行性感冒は重症化するため、研究費がおりやすくオゾンの研究も進み有効性が確かめられています。今後は風邪ウイルスに関してもアスリートとの関連などでオゾンの効果に関する基礎研究がより行われることを期待しましょう。

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