おすすめのオゾン濃度測定器|測定原理と選び方のポイントを解説
オゾン濃度測定器は種類が多く、測定方式も価格帯も幅広いため、初めて導入する方には選びにくい機器です。この記事では、測定器メーカーと利害関係のない立場から、測定原理の違い、選ぶときの確認ポイント、おすすめの測定器をまとめて紹介します。
オゾン濃度測定器が必要になる場面

オゾンは、濃度や接触時間によっては人体に影響のある気体です。特に、業務用オゾン発生器を使って高濃度のオゾンを発生させる運用では、「いま空間にどのくらいのオゾンが残っているか」を把握できる体制が重要になります。
オゾン濃度の測定が必要になる典型的な場面には、次のようなものがあります。
- 無人環境で業務用オゾン発生器を稼働させたあと、入室してよい状態かを確認したいとき
- 人が作業する環境でオゾンを利用しており、作業中の濃度を継続的に監視したいとき
- 食品売り場や保管庫などで、オゾン濃度を定期的にモニタリングしたいとき
- オゾン発生器の運用ルールを社内で整備するにあたり、客観的な数値の裏付けがほしいとき
参考として、日本産業衛生学会は作業環境におけるオゾンの許容濃度として0.1ppmという値を示しています。これは作業環境を対象とした参考値であり、すべての場面にそのまま当てはまるものではありませんが、「どの程度の濃度を測れる必要があるか」を考えるうえでの目安になります。
どの場面で使うかによって、必要な測定範囲も、求められる機能も変わります。まず「自分は何のために測るのか」を決めることが、測定器選びの出発点です。
オゾン濃度測定器の測定原理と向き不向き
オゾン濃度測定器の仕様書には、測定方式が記載されています。馴染みのない用語が多いため、ここで代表的な4つの方式を整理します。仕組みのイメージと「どんな用途に向きやすいか」をセットで押さえておくと、製品仕様を見たときの助けになります。
紫外線吸収法
オゾンは、254nm(ナノメートル)付近の波長の紫外線を強く吸収する性質を持ちます。紫外線吸収法は、この性質を利用した方式です。試料セルと呼ばれる容器にオゾンガスを取り込み、254nm付近の紫外線を当てて、吸収された量と透過した量からオゾン濃度を算出します。
オゾン層が地球に降り注ぐ紫外線を吸収していることは広く知られていますが、それと同じ原理を測定に応用したものと考えると、イメージしやすいはずです。
精度が高く、低濃度から高濃度まで幅広いレンジに対応した製品が多いため、産業用途や、正確な数値管理が必要な場面に向きやすい方式です。一方で、機器の価格は比較的高めになる傾向があります。
半導体式(半導体薄膜式・半導体センサー式)
半導体の薄膜表面にオゾンが接触すると、オゾンの持つ酸化力によってオゾン分子が半導体と結合し、電気的な特性が変化します。この変化量からオゾン濃度を計測するのが半導体式です。
小型・低価格の製品を作りやすい方式で、生活環境レベルの低濃度を手軽にチェックする用途に向きやすい一方、温度や湿度など周囲環境の影響を受けやすい製品もあります。「厳密な数値管理」よりも「おおよその濃度把握」に適した方式と考えるとよいでしょう。
定電位電解法
一定の電位に設定した電極を用意し、気体透過膜を通過したオゾンを電気分解すると、濃度に応じた電流が発生します。この電流を測定することでオゾン濃度を把握するのが定電位電解法です。
センサー交換式の製品が多く、設置型の濃度監視や警報用途で広く使われています。連続モニタリングと警報出力を両立したい場面に向きやすい方式です。
検知管法
ガラス管の中に試薬を層状に詰めて密閉しておき、測定時に管の封を破って一定量の空気を一定速度で吸引します。オゾンと反応して試薬が変色した長さから、濃度を読み取る方式です。
電源が不要で、1回ごとの測定コストが分かりやすいのが特徴です。連続監視はできないため、「その場・その時点の濃度をスポットで確認したい」場面に向いています。
オゾン濃度測定器を選ぶときの確認ポイント

測定原理を踏まえたうえで、製品を比較するときに最低限確認したいポイントを整理します。
測定範囲
測定器によって、測定できる濃度の範囲は大きく異なります。生活環境レベルの低濃度(1ppm未満)を想定した製品もあれば、産業用途の高濃度域まで対応する製品もあります。
確認の目安は次のとおりです。
- 有人環境での安全確認が目的なら、0.1ppm前後の低濃度を精度よく測れること
- 業務用発生器の運用後確認が目的なら、想定される残留濃度を上限がカバーしていること
- 産業プロセスでの濃度管理が目的なら、プロセスで扱う濃度域に対応していること
「上限値が高いほど良い」わけではありません。低濃度域の確認が目的なのに高濃度向けの機器を選ぶと、必要な分解能が得られない場合があります。
設置場所とサイズ・電源
設置型かハンディ型か、置き場所の寸法に収まるか、電源は確保できるかを事前に確認しましょう。たとえばスーパーの食品売り場でモニタリングしたい場合、売り場に設置できるサイズで、定期的に濃度を確認できる機能があれば十分で、産業用の大規模な測定器は必要ありません。
持ち歩いて複数の部屋を測りたいのか、決まった場所で監視し続けたいのかで、選ぶべきタイプは変わります。
警報機能・モニタリング機能の有無
人がいる環境での安全管理が目的なら、設定濃度を超えたときに知らせてくれる警報機能の有無は重要な確認点です。また、濃度を外部に出力できる伝送機能があれば、離れた場所からの監視や記録にも対応できます。
「数値が読めればよい」のか、「異常時に気づける体制を作りたい」のかを区別して選びましょう。
消耗品とメンテナンスのしやすさ
センサーやランプなど、定期交換が必要な部品の有無と交換目安は、購入前に確認しておきたい項目です。消耗品を交換せずに使い続けると、濃度を正常に測定できなくなります。
仕様書に消耗品の記載がない場合も、一度メーカーに問い合わせて確認しておくと安心です。あわせて、付属品の内容も確認しておくと、導入後に「必要なものが足りない」という事態を避けられます。
おすすめのオゾン濃度測定器
ここからは、おすすめの測定器とその特徴、おすすめする理由を紹介します。なお、当サイトは測定器メーカーと利害関係がなく、特定メーカーの販売を目的とした紹介ではありません。価格は時期によって変わるため、最新の価格・仕様は各メーカー・販売店のページでご確認ください。
高精度オゾンガス濃度計 OZG-3000シリーズ(アプリクス)

| 測定方式 | 紫外線吸収法 |
|---|---|
| 測定範囲 | 形式により低濃度用から高濃度用まで選択可 |
| 価格 | メーカー・販売店にお問い合わせ |
| 特徴 | 測定範囲のバリエーションが広く、産業用途にも対応。高精度な測定ができる |
| おすすめの理由 | 形式によって測定範囲を選べるため、用途に合わせた導入がしやすい。正確な数値管理が必要な場面に向く |
| URL | https://applics.co.jp/prodact_ozg |
オゾンモニタ EG-700Eシリーズ(荏原実業テクノロジーズ)

| 測定方式 | 紫外線吸収法 |
|---|---|
| 測定範囲 | 形式により複数の測定レンジから選択可 |
| 価格 | メーカー・販売店にお問い合わせ |
| 特徴 | 紫外線吸収式で高精度ながら小型・軽量。複数の自己診断機能を持ち、維持管理がしやすい |
| おすすめの理由 | 部品交換が容易な設計で、長期運用時のメンテナンス性に優れる。連続測定での濃度管理に向く |
| URL | https://www.ejooo.com/products/320/ |
オゾンチェッカー OC-300

| 測定方式 | 半導体センサー式 |
|---|---|
| 測定範囲 | 0〜0.25ppm(生活環境レベルの低濃度域) |
| 価格 | 販売店にお問い合わせ |
| 特徴 | ランプの色でおおよその濃度レベルを視覚的に確認でき、デジタル表示も備える。小型・軽量 |
| おすすめの理由 | 難しいメンテナンスが不要で、「まずオゾン濃度を手軽に把握したい」という方に向く。大がかりな測定器が不要な環境におすすめ |
| URL | https://ureruzo.com/ozon/ozon-oc300.htm |
定電位電解式オゾンガスモニタ OZG-EM-010K/011K(アプリクス)

| 測定方式 | 定電位電解法(拡散式) |
|---|---|
| 測定範囲 | OZG-EM-010K:0〜1.00ppm/OZG-EM-011K:0〜10.0ppm |
| 価格 | 販売店にお問い合わせ |
| 特徴 | 温度・湿度など環境要因の影響を受けにくいセンサを搭載。伝送出力により濃度をリアルタイムに監視できる |
| おすすめの理由 | 約750gの小型サイズながら、警報出力を含む濃度監視体制を作りやすい。センサ交換時の調整も簡単で、メンテナンス負担が小さい |
| URL | https://ureruzo.com/ozon/ozon.htm |
気になる製品があれば、リンク先で他の形式もあわせてチェックし、不明点はメーカーに気軽に問い合わせてみましょう。
導入後に大切な運用とメンテナンス

オゾン濃度測定器は、導入して終わりではなく、その後のメンテナンスが重要です。どれほど優れた機器でも、メンテナンスを怠れば本来の性能を発揮できなくなります。
特に注意したいのが湿度です。精密機器である測定器は、湿度の高い環境では正常に測定できなくなる場合があります。湿度の高い場所で使用するなら、定期的な除湿を心がけましょう。
また、長く運用すれば経年劣化は避けられません。外装の傷や汚れが性能に影響することは稀ですが、注意すべきは内部のセンサーや部品です。「動いているからまだ大丈夫」と判断せず、メーカーが推奨する使用期間を超えた部品は交換するようにしましょう。
測定器が正しい数値を示してこそ、安全な運用体制が成り立ちます。メンテナンス方法や運用方法で分からないことがあれば、メーカーに相談するのも有効な手段です。
自分の用途に合うオゾン濃度測定器を選ぶための整理ポイント
最後に、測定器選びで迷ったときの整理ポイントをまとめます。
- 測定の目的は何か(入室前の安全確認か、常時監視か、スポット測定か)
- 測りたい濃度域はどこか(生活環境レベルの低濃度か、業務・産業レベルか)
- 設置型とハンディ型のどちらが運用に合うか
- 警報機能や伝送出力は必要か
- 消耗品の交換目安と入手性を確認したか
インターネット上には特定メーカーの製品だけを紹介するコンテンツが多くありますが、測定器は「高ければ良い」「多機能なら良い」というものではありません。自分の目的と環境を整理したうえで、それに合う1台を選ぶことが、結果的に安全で無駄のない運用につながります。この記事が、みなさんにぴったりなオゾン濃度測定器を見つける助けになれば幸いです。
よくある質問
オゾン濃度測定器はなぜ必要なのですか?
オゾンは濃度や接触時間によって人体に影響があるため、数値で安全を確認する目的で使われます。特に業務用オゾン発生器で高濃度のオゾンを発生させる運用では、使用後に入室してよい状態かどうかを判断する材料が必要です。臭いの感じ方には個人差があるため、感覚に頼らず測定器で客観的に濃度を把握することが、安全な運用体制づくりにつながります。
測定方式はどれを選べばよいですか?
測りたい濃度域と運用方法に合った測定方式を選ぶのが基本的な考え方です。正確な数値管理が必要なら紫外線吸収法、手軽な低濃度チェックなら半導体式、警報付きの常時監視なら定電位電解法、その場限りのスポット測定なら検知管法が向きやすい傾向があります。製品ごとに仕様が異なるため、測定範囲や消耗品もあわせて確認しましょう。
オゾン濃度の安全の目安はありますか?
日本産業衛生学会は、作業環境におけるオゾンの許容濃度として0.1ppmを示しています。ただしこれは作業環境を対象とした参考値で、すべての場面にそのまま当てはまるものではありません。使用環境や滞在時間によって考え方が変わるため、機器の取扱説明書や公的資料も確認しながら、余裕を持った濃度管理を行うことが大切です。
業務用オゾン発生器を使うとき、濃度測定器は必要ですか?
無人運用後の入室判断や運用ルールづくりに役立つため、導入を検討する価値があります。無人環境での使用を前提とする業務用オゾン発生器では、運転後に換気を行い、濃度が十分に下がってから入室する運用が基本です。測定器があれば、その判断を感覚ではなく数値で行えるようになり、社内の運用ルールも作りやすくなります。オゾン発生器の製品一覧




