キムチ臭はオゾンで消臭できるか|オースリークリア3を使った実験で数値の推移を検証
実験の様子を動画で確認
この記事で紹介している検証内容は、自社YouTubeチャンネル「オゾンマート」でも動画として公開しています。実際の機器の動作、測定値の推移、検証プロセスをそのままご覧いただけます。
YouTubeで動画を開く強いにおいの代表格であるキムチ。冷蔵庫や室内に残ったキムチ臭は、消臭剤を使っても時間が経つとぶり返すことがあります。
本記事では、業務用オゾン発生器「オースリークリア3」を使い、密閉容器内に溜めたキムチ臭がオゾンでどのように変化するかを、臭気計測器の数値で検証した結果を紹介します。数値の推移と、そこから読み取れること、そして実際の空間で使うときの前提条件まで整理します。食品臭の消臭にオゾンが向くかどうかを、ご自身のケースに当てはめて判断できる状態を目指す内容です。
オースリークリア3でキムチ臭の消臭を検証した目的
オゾンに消臭作用があることは知られていますが、強いにおいに対して実際にどの程度・どのくらいの速さで作用するのかは、数値で見ないとイメージしにくい部分です。今回は、その変化を客観的な数値で確認することを目的に検証を行いました。
検証で確かめたかったこと
今回の検証では、次の3点を数値で確認することを狙いました。
- オゾンがキムチ臭に対して、実際にどの程度作用するのか
- 作用が現れるまでに、どのくらいの時間がかかるのか
- 一度下がったにおいが、その後ぶり返さないかどうか
キムチ臭を題材に選んだ理由
キムチは発酵食品で、においが強く、空間に残りやすい食品です。消臭剤を使っても元のにおいが戻りやすい、いわゆる「臭い戻り」が起きやすいにおいでもあります。こうした手強いにおいを題材にすることで、オゾンの作用を分かりやすく観察できると考え、検証対象に選びました。
検証の前提|キムチ臭が残りやすい理由とオゾンの作用
検証結果を読み解く前に、そもそもキムチ臭がなぜ残りやすいのか、そしてオゾンがにおいにどう作用するのかを整理しておきます。この前提を押さえておくと、数値の変化の意味が理解しやすくなります。
食品の発酵臭が空間に残りやすい背景
発酵食品のにおいには、硫黄を含む成分やアミン系の成分など、においの強い分子が含まれています。これらの分子は空間に拡散し、布や壁などに付着すると、時間が経ってもにおいとして残りやすくなります。
香りでにおいを覆い隠すタイプの消臭剤は、別の香りで元のにおいを感じにくくする方式です。手軽に使える一方、覆っている香りが弱まると、元のにおいを感じやすくなる場面があります。これが臭い戻りが起きる一因とされています。
オゾンが臭気成分に作用する仕組み
オゾンは強い酸化作用を持つ気体です。においの原因となる物質を酸化させ、別の物質へと分解・低減する方向に働くと考えられています。
香りで覆い隠す方式とは異なり、においの元そのものに作用する点が特徴です。どちらが優れているというより、用途や場面によって向き不向きが分かれる方式の違い、と整理できます。この性質が、今回の数値の変化にどう表れるかが、検証の見どころになります。
検証の設計と使用した機器
検証は、においの変化を数値で追えるように、密閉空間と臭気計測器を使って行いました。
密閉BOXと臭気計測器を使った測定方法
測定の手順は次のとおりです。
- 30cm四方のアクリルBOXの中にキムチを入れ、においを溜める
- BOX内に臭気計測器を入れ、キムチのにおいを数値化する
- 数値が安定したことを確認してから、オゾンを噴霧して数値の推移を観察する
ここで表示される数値は、臭気計測器がキムチ臭の強さを示した数値です。空間中のオゾン濃度を表す数値ではない点に注意してご覧ください。今回は、この数値が101〜105程度で安定したところから検証を開始しました。
本記事に登場する「101〜105」「0」などの数値は、すべて臭気計測器が示したキムチ臭の強さの値です。オゾンの濃度(ppm)とは別の指標である点にご注意ください。
使用機器:オースリークリア3の基本情報
検証に使用したのは、業務用オゾン発生器「オースリークリア3」です。初代の登場が2008年、後継のオースリークリア2が2015年、現行のオースリークリア3は2019年9月にリリースされた機種です。
製品の目安として、50㎡・高さ2.5m程度の部屋であれば、1時間で1ppm前後のオゾン濃度にできるとされています。なお、この機種は無人環境での使用を前提とした業務用機器です。この点は、後ほど「実際の空間に応用するときの前提条件」で詳しく整理します。
オゾン噴霧によるキムチ臭の数値推移
ここからは、実際にオゾンを噴霧した後の数値の推移を見ていきます。
噴霧前の臭気計測器の数値
オゾンの噴霧を始める前、BOX内のキムチ臭は臭気計測器の数値で101〜105程度を示し、安定していました。この状態を起点として、数値がどう変化するかを観察します。
噴霧開始から5分後までの推移
オゾンを噴霧し始めると、数値は短時間で下がり始めました。推移は次のとおりです。
| 経過時間 | 臭気計測器の数値(キムチ臭の強さ) |
|---|---|
| 噴霧前 | 101〜105程度で安定 |
| 噴霧開始から約20秒後 | おおむね半分程度まで減少 |
| 噴霧開始から5分後 | 0 |
噴霧開始からわずか20秒で数値がおよそ半分まで下がり、5分後には0になりました。30cm四方の密閉BOXという条件での結果ですが、数値の上では短時間で大きな変化が見られたことになります。
数値の推移から読み取れること
数値の変化からは、オゾンの作用について次のようなことが読み取れます。ただし、ここで述べるのは検証結果からの解釈であり、断定ではない点を踏まえてお読みください。
短時間で数値が下がった背景
噴霧の直後から数値が下がり始めたことから、オゾンがキムチ臭の原因物質に対して、比較的すぐに反応したと読み取れます。オゾンの強い酸化作用が、においの成分に短時間で作用した結果と考えられます。
ただし、この速さは密閉空間で行った検証ならではの面もあります。実際の部屋では条件が異なるため、その違いは後段で整理します。
臭い戻りが起きなかった理由の考え方
今回の検証では、数値が0になったあと、においの再発(臭い戻り)は確認されませんでした。
香りで覆い隠す方式は、手軽に使える一方で、覆う香りが弱まると元のにおいを感じやすくなる場面があります。オゾンはにおいの元に作用する方式のため、戻りにくい傾向があると考えられます。また、オゾンは時間が経つと酸素に戻る性質があり、空間に残留しにくい点も方式の特徴です。
なお、この結果はあくまで密閉BOX内での観察です。実際の部屋では条件が異なるため、次の項目で前提の違いを整理します。
検証結果を実際の空間に応用するときの前提条件
今回の数値は、限られた条件での検証結果です。実際の生活空間や店舗で同じように使う場合は、いくつかの前提の違いを押さえておく必要があります。
密閉BOXと実際の部屋との違い
今回の検証は、30cm四方の密閉空間で行いました。これは、においの成分が外に逃げず、オゾンが全体に行き渡りやすい条件です。
一方、実際の部屋は容積が大きく、ドアや窓の隙間からの空気の出入りもあります。においの染み込み具合や、布・壁などの素材によっても作用の仕方は変わります。そのため、実際の空間で「20秒で半分」「5分で0」と同じ結果になるとは限りません。部屋の広さやにおいの状態に応じて、必要な時間や運用は変わると考えておくのが現実的です。
機器分類と使用条件(業務用・無人環境前提)
検証に使ったオースリークリア3は、業務用オゾン発生器です。人やペットがいない無人環境での使用を前提に設計されており、使用中は部屋を空け、使用後に換気を行う運用が基本になります。
注意したいのは、オゾン機器を一律に無人空間専用とは扱えない点です。家庭用、業務用、業務用・家庭用兼用などタイプによって使用条件が異なり、今回のオースリークリア3は業務用・無人環境前提のタイプに当たります。タイプ別の選び方は別記事で整理しています。
オースリークリア3のような業務用オゾン発生器は、飲食店や宿泊施設、車両販売店、病院や保育施設などで消臭目的に導入されています。導入を検討する場合は、具体的な使用条件を製品仕様書や取扱説明書で確認することが前提になります。
食品臭の消臭でオゾンを検討するときに確認したいこと
今回の検証では、強いキムチ臭に対してオゾンが短時間で作用し、臭い戻りも確認されないという結果が得られました。実際に食品臭の消臭でオゾン機器を検討する際は、次の観点を整理しておくと、自分のケースに合うかを判断しやすくなります。
- 対応したいにおいが、布や壁に染みついた臭いか、空間に漂う残臭か
- 使用する場面が、人やペットのいる有人環境か、空けられる無人環境か
- 使用後に換気できる時間を確保できるか
- 対象の空間の広さに対して、適したタイプ・出力の機器か(家庭用・業務用・兼用の区別)
- 製品の使用条件、導入実績、サポート体制を確認できるか
これらは製品ごとに前提が異なります。検証で見られたような作用を期待する場合も、機器のタイプと使用条件を確認したうえで、自分の環境や用途に合うかを見極める姿勢が、結果として失敗の少ない判断につながります。
よくある質問
キムチのような強い食品臭にも、オゾンは効きますか?
強い食品臭にも作用したという検証結果があります。オースリークリア3を使った実験では、密閉BOX内のキムチ臭を臭気計測器で数値化したところ、オゾン噴霧後に数値が低下しました。ただし結果は密閉空間という条件下のもので、実際の部屋では広さや換気の状況により変わります。オゾンラボで他の検証も公開しています。
検証では、どのくらいの時間で臭いの数値が下がりましたか?
噴霧開始から短時間で数値が下がりました。30cm四方の密閉BOXでの検証では、臭気計測器の数値が101〜105程度で安定した状態から、オゾン噴霧開始の約20秒後に半分程度まで減少し、5分後には0になりました。これは密閉空間での結果で、実際の空間では同じ速さになるとは限りません。
消臭剤と違って、臭い戻りが起きにくいのはなぜですか?
においの元に作用する方式の違いが理由と考えられます。香りで覆うタイプの消臭剤は、覆う香りが弱まると元のにおいが戻りやすくなります。一方オゾンは、においの原因物質を酸化・分解する方向に働くため、においが戻りにくいと考えられます。時間が経つと酸素に戻り、残留しにくい点も特徴です。
実際の部屋でも、実験と同じ結果になりますか?
同じ結果になるとは限りません。今回の検証は密閉された小さな空間で、オゾンが全体に行き渡りやすい条件でした。実際の部屋は容積が大きく、空気の出入りや素材へのにおいの染み込みもあるため、必要な時間や運用は変わります。部屋の広さやにおいの状態に応じて考えることが現実的です。
検証に使ったオースリークリア3は、どんな機器ですか?
無人環境での使用を前提とした業務用オゾン発生器です。2019年9月にリリースされた機種で、飲食店や宿泊施設、病院や保育施設などで消臭目的に導入されています。使用中は部屋を空け、使用後に換気する運用が基本です。詳しい仕様は製品ページでご確認いただけます。
オゾンマートはどんな会社ですか?
オゾン専業として実績を重ねてきた専門メーカーです。2008年の創業以来、オゾン専業17年、導入実績は2万社を超えます。日本のオゾン発生器4大メーカーの1角として、山口県周南市の自社工場で開発・製造を行っています。今回のような検証も自社で実施し、情報発信を続けています。

