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サラダ

ここからは、生食用カット野菜など、収穫後に加工される野菜の細菌汚染リスクについてさらに深くデータを見ていきましょう。

以下の表は、東京都多摩地区で市販されている食品の細菌汚染状況を示したものです。(論文表4より抜粋)

検査の対象となった食品は生食用カット野菜や加熱調理サラダなどです。

検査品名検査例数生菌数10^5以上例数
(%)
大腸菌群陽性例数
(%)
リステリア陽性数
(%)
サルモネラ陽性数
(%)
ポテトサラダ264(15.4)11(42.3)1(3.8)0(0.0)
マカロニサラダ201(10.0)3(30.0)1(10.0)0(0.0)
コールスロー60(0.0)3(50.0)0(0.0)0(0.0)
中華サラダ61(16.7)1(16.7)0(0.0)0(0.0)
スパゲティサラダ61(16.7)4(66.7)1(16.7)0(0.0)
サラダ用カット野菜2721(77.8)24(88.9)2(7.4)0(0.0)
おにぎり164(25.0)1(6.3)0(0.0)0(0.0)
寿司(のり巻き)172(11.8)3(17.6)0(0.0)0(0.0)
ゆでそば131(7.7)2(15.4)0(0.0)0(0.0)
ゆでうどん173(17.6)3(17.6)0(0.0)0(0.0)
豆腐160(0.0)2(12.5)1(6.3)0(0.0)
生あげ131(7.7)1(7.7)0(0.0)0(0.0)

少し見づらいかもしれませんが、サラダ用カット野菜の行を見てみると、他の検査品より「生菌数10^5以上」及び「大腸菌群陽性」となったものの割合が著しく高いことがわかります。

これは、サラダ用カット野菜が他の食品よりも細菌汚染度が高いことを示唆しています。

つまり、工場等でカットなどの加工が施された生野菜は、通常よりも細菌に汚染されるリスクが高いと考えられるのではないでしょうか?。

これについて、論文ではさらにカット野菜工場の野菜の細菌汚染度について調査したデータが紹介されています。

以下の表はカット野菜工場の原料野菜における生菌数を調査してまとめたものです。(論文表5を改変)

検体となった原料野菜は前処理(表面の泥や損傷部の除去)を行った後のものになります。

検体1gあたりの生菌数の平均
検体名検体部位(調査検体の対数平均より算出)
キャベツ外層10^5.5(2)
中層-(6)
内層-(2)
レタス外層10^5.8(2)
中層10^6.9(2)
内層10^5.5(3)
長ネギ表皮10^5.8(2)
10^4.4(2)
セロリ10^5.6(2)
きゅうり表面10^5.8(2)
-(1)
大根表皮10^6.1(2)
-(2)
にんじん表皮10^6.1(3)
-(2)

※( )は調査検体数。
※ – は調査検体の菌数がいずれも検出限界未満であったもの。
※論文表5のA工場(冬期)のデータのみを抜粋。

1gあたりの生菌数に関して、食品として不適な基準は10^5.0ですが、ほとんどの原料野菜の部位が基準を越える傾向にありますね。

これは、あくまで調査対象となった工場での話ですが、原料野菜の時点でほとんどものが細菌に汚染されていることを示しています。

そして、以下はカット野菜工場における野菜のカット処理直後の生菌数のデータです。(論文表7を改変)

前の表とは検体が異なるのでご注意ください。

1gあたりの生菌数の平均
(調査検体の対数平均より算出)
検体A工場B工場
キャベツ(非消毒)10^5.3(5)
キャベツ(消毒)10^3.4(3)
レタス(非消毒)10^5.5(2)
レタス(消毒)10^5.8(2)
ほうれん草10^7.2(1)
長ネギ10^6.7(2)10^5.1(2)
万能ネギ10^5.9(1)
セロリ10^5.1(2)
きゅうり10^5.4(2)10^4.8(2)
ピーマン10^4.7(2)
大根10^5.1(3)10^4.1(2)
にんじん10^6.1(2)10^4.6(1)
玉ねぎ(非消毒)10^5.7(1)
玉ねぎ(消毒)10^6.2(2)
ミックス10^6.3(4)

※( )は調査検体数。
※論文表7からA工場(冬期)、B工場(冬期)のデータのみを抜粋。

上記データを見てみると、カット処理直後も細菌に汚染されている野菜が多くあり、食品として不適な基準である10^5.0を越えるものも多いということがわかります。

また、B工場では一部消毒を行った野菜でも細菌に汚染されています。

以上のデータから着目すべきは、前処理後の野菜だけでなくカット後の野菜においても高度な細菌汚染が確認されていることでしょう。

これについて論文ではカット処理によって器具から細菌が付着することが原因だとされています。

以下の表は、カット野菜工場の製造環境における生菌数の調査結果を示しています。(論文表10)

表

※冬期のデータに限定。
※ – は調査検体がいずれも検出限界未満であったもの。
※( )内は検出限界以上の菌が分離された検体数 / 調査検体数。

上記データを見ると、製造環境・器具は基本的に細菌に汚染されており、カットを行う包丁やスライサーなど一部項目では消毒を行った後でも、一定数の細菌が残っていることがわかります。

このように製造環境が細菌に高度汚染されている理由について、論文では以下のように言及されています。

・カット野菜工場には常に水に浸っている器具器械があり、そのような器具器械に付着した細菌は増殖して必ずバイオフィルムを形成する
・バイオフィルムを形成した細菌には、通常の熱や化学物質による消毒が浸透しにくく、滅菌が困難である
・そもそも洗浄や消毒、乾燥を行うことが困難な器械もある

以上のことから考えると、カット野菜工場の製造環境において細菌の汚染を防ぐのは困難であり、そのために器具・機械から野菜へ二次汚染しているのだと考えられます。

野菜を水洗いする様子

生野菜はオゾン水で洗えば簡単に効果的な除菌を行うことができます。

オゾン水は市販のオゾン水生成器を購入すれば業務でもご家庭でも生成可能です。

オゾン水とはオゾン(O3)という物質を溶け込ませた水です。

この水で野菜を洗ったり、数分間つけ置いたりすることで、溶け込んだオゾンが野菜に付着した細菌を根本から死滅させてくれます。

除菌後は水道水などで野菜に残ったオゾン水を洗い流すことで食べられるようになります。

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オゾンが細菌に対して除菌効果を持つのは、その強い酸化力のおかげです。

オゾンは酸素原子が3つ結合することで成り立っていますが、実は生成後簡単に分解して酸素分子(O2)と酸素原子(O)を生み出すという性質を持っています。

この時に生まれた酸素原子は反応性が高いので、他の物質を酸化させる作用を持っています。

この酸化作用により、多くの細菌を死滅させることが可能となるのです。

使用後に残るのは酸素だけ オゾンは残らない!

また、オゾンは水中でも数時間で分解するので、使用後に残存しない無害な物質となっています。
(ただし、野菜などの洗浄直後はまだ分解していないオゾンが残っている場合があるので、食べる前は水道水などで洗い流してください)

以下はオゾンの除菌効果に関する実験データをまとめた表です。

サルモネラやO-157など食中毒を引き起こす細菌に対しても除菌効果があることが分かります。

表

このように実験からも除菌効果が証明されており、また容易に分解する無害な物質であるという特性から、オゾン水は多くの食品工場で除菌に利用されています。

衛生管理を行う上で有用な手段として広く知られているということですね。

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