【事故事例】過去にあったオゾン発生器・空気清浄機・加湿器の事故

製品購入を考える際に、その製品がちゃんと安全かどうか調べることがあるのではないでしょうか?
今回は「NITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)」が提供している事故情報データベースより、オゾン発生器・空気清浄機・加湿器について死亡事故を含める、過去の事故事例を調査しました。

「電源が入らない」「スイッチ不良」「取っ手が壊れて本体を足の上に落としてしまいケガをした」など、どのような製品であれ、一定数の故障や不良はつきものですが、「命にかかわる重大な事故」という程ではなく、おそらく多くの方が「許容範囲」だと考えるでしょう。

しかし、「深刻な健康被害」「命にかかわる重大な事故(死亡事故)」などについては、消費者として絶対に許容できるものでありません。
今回は、コロナ禍で認知度をグッと上げ、その需要が100倍以上になったとも言われている「オゾン発生器」、そして昔から馴染み深い「空気清浄機」「加湿器」これら3つの機器について死亡事故を含める過去の事故事例を調査しました。

まずは、プレス発表が行われた事故事例から機器別に見ていきましょう。

プレス発表_オゾン発生器
プレス発表_オゾン発生器_検索結果

検索キーワードに「オゾン発生器」と入力すると、1件だけ該当がありました。
詳細をクリックすると、下記の情報が表示されました。

プレス発表_オゾン発生器_詳細

「人的被害概要」の項目が空白になっていたことから、人的被害はなかったものと思われます。(あれば必ずここに記載されます)
事故原因は「オゾン発生器内部のフィルムコンデンサーの異常発熱」ですが、これ自体は重大な事故ではありません。
また、この事故事例は「ウォーターサーバー」ですが、「オゾン発生器」という機器の事故事例は0件でした。
「オゾン発生器」という機器の事故事例は0件だったことと、このウォーターサーバーの事故が「オゾン発生器内部の〜」ということでしたので、念のため取り上げました。

実質的には、オゾン発生器に関する「プレス発表が行われた事故事例」は0件であると考えて問題ないでしょう。
よって、軽微な事故だけではなく、死亡事故などの重大事故も「プレス発表が行われた事故事例」については0件です。

続いて、「空気清浄機」を検索します。

プレス発表_空気清浄機
プレス発表_空気清浄機_検索結果

該当は14件でした。

14件中13件が「焼損」「出火」となっています。
どうやら、「集塵フィルタと脱臭フィルタの間で放電が発生し、発煙・出火」というケースが多いようです。
メーカーとしては、ダイキン、シャープ、パナソニックなど。
焼損や出火する事故にはなったものの、死亡事故は1件もありませんでした。

加湿器も同様に調べます。

プレス発表_加湿器
プレス発表_加湿器_検索結果

空気清浄機よりも多い16件の該当がありました。

16件中15件は、「発煙」「発火」「焼損」「火傷などの負傷(軽度)」「お湯が噴出してきて胸部、腹部、大腿部にお湯がかかり火傷を負った(重傷)」という事故でした。

そして、1件の死亡事故事例を確認しました。

プレス発表_加湿器_詳細
NITE_オゾン発生器
NITE_オゾン発生器_検索結果
OZM-250K

そもそも普及率が大きく異なるため、単純に比較はできませんが、表にしてみてみましょう。

【プレス発表が行われた事故事例/経済産業省】

※重大な事故=「死亡事故」「家屋全焼」など

機器事故件数重大な事故※
オゾン発生器10
空気清浄機140
加湿器161

【報告義務がない事故事例/NITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)】

※重大な事故=「死亡事故」「家屋全焼」など

機器事故件数重大な事故※
オゾン発生器130
空気清浄機1963
加湿器1934

今回は「オゾン発生器と比較して、空気清浄機や加湿器は重大事故もあり、危険だ!」ということをお伝えしたいのではありません。
この事実からお伝えしたいことは「オゾン発生器という機器は特別危険な機器などではない」ということです。
コロナ禍において、オゾン発生器の認知度が一気に高まり、「オゾン発生器は危険だ」「いや、そんなことはない安全だ」という議論を見かけますが、事故事例という観点からその事実をもとに見てみると、オゾン発生器が他の電化製品と比較して危険であると結論づける材料はどこにもないのです。

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