オゾンコラム

オゾン発生器の事故事例を公的データベースで調査|空気清浄機・加湿器と比べて分かったこと

オゾン発生器の事故事例を公的データベースで調査|空気清浄機・加湿器と比べて分かったこと

オゾン発生器の購入を検討するとき、「この機器で過去に事故は起きていないのか」が気になる方は多いのではないでしょうか。この記事では、経済産業省と、NITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)が提供する公的な事故情報データベースを使い、オゾン発生器の事故事例を実際に調査した結果をまとめます。比較の目安として、身近な電化製品である空気清浄機と加湿器についても、同じ方法で調べました。件数の紹介だけで終わらせず、事故データを読むときの注意点と、購入前・使用時に確認しておきたいポイントまで整理します。なお、本記事のデータベース調査は2022年8月時点のものです。

事故事例をどこで調べたか|2つの公的データベース

電化製品の事故について調べる方法は、大きく2つあります。

1つめは、経済産業省の製品事故検索です。消費生活用製品安全法第35条第1項に基づき事業者から報告された事故のうち、プレス発表が行われたものを検索できます。重大な事故ほど、こちらに記録が残ります。

2つめは、NITEの事故情報データベースです。報告義務のない事故についても、消費者からの情報をもとにNITEが独自に調査し、事実として事故と認定されたものが掲載されます。いわば「報告義務の枠に入らない事故」まで含めて確認できるデータベースです。

この2つを両方確認することで、重大事故から軽微な事故まで、実際に起きた事例を広く把握できます。今回は両方のデータベースで「オゾン発生器」「空気清浄機」「加湿器」をそれぞれ検索しました。

プレス発表が行われた事故事例(経済産業省)

まず、報告義務があり、プレス発表が行われた事故事例から見ていきます。

オゾン発生器の事故事例

検索キーワードに「オゾン発生器」と入力したところ、該当は1件でした。

ただし、この1件の事故機器は「ウォーターサーバー」です。内蔵されたオゾン発生器部品のフィルムコンデンサーが異常発熱したという内容で、詳細を確認すると、人的被害の欄に記載はありませんでした。オゾン発生器という機器そのものの事故事例は0件です。

つまり、オゾン発生器に関するプレス発表事例は、実質的に0件と考えてよい結果でした。死亡事故などの重大事故も、このデータベース上では確認されていません。

空気清浄機の事故事例

空気清浄機の該当は14件でした。

14件中13件は「焼損」「出火」です。集塵フィルタと脱臭フィルタの間で放電が発生し、発煙・出火に至ったケースが目立ちます。焼損や出火に至った事故はあるものの、死亡事故は1件もありませんでした。

加湿器の事故事例

加湿器の該当は16件でした。

16件中15件は「発煙」「発火」「焼損」「火傷」です。火傷には、噴き出したお湯が体にかかり重傷を負った事例も含まれます。

そして、1件の死亡事故が確認されました。2007年に新潟県で、加湿器の使用中にレジオネラ肺炎を起こして死亡した事例です。加湿器内部で繁殖した菌が原因となりうることは、加湿器を使ううえで知っておきたい事故類型といえます。

報告義務がない事故事例(NITE)

次に、報告義務が生じず、プレス発表も行われなかった事故を、NITEの事故情報データベースで調べました。

オゾン発生器の事故事例

該当は13件でした。うち1件は、先ほど触れたウォーターサーバーの事故です。

オゾン発生器としての事故12件のうち11件は、同じ会社の同じ製品によるもので、「使用中に本体が過熱し、樹脂が変形した」という内容でした。特定製品の不具合に集中していたことが分かります。

残る1件は、浴槽にオゾン発生器を入れて入浴していたところ、咳などの症状が出たという事例です。被害の程度は軽傷とされています。この事例は、空気中にオゾンを放出するタイプの機器で浴槽のお湯をオゾン水にしようとした、という使い方が背景にあります。エアレーション式(空気の泡を水に通す方式)では、オゾンが水に溶け込みにくく、大部分が水中から室内の空間へ逃げてしまいます。その結果、浴室という狭い空間のオゾン濃度が上がり、症状につながったと考えられます。

オゾン水を使いたい場合は、よく換気された環境で生成するか、水への溶け込みを前提に設計された電解式のオゾン水生成器を使う方法があります。機器ごとに想定された使い方を外れると、本来起きないはずの事故につながることを示す事例です。

空気清浄機の事故事例

該当は196件でした。

事故内容の9割以上は「発煙」「焼損」「火災」「火傷」です。なかには、建物1棟が全焼し3棟に類焼した火災や、住宅の2階部分を全焼した火災といった大規模なものも含まれていました。

火災系以外では、健康被害に関する事例が3件ありました。空気清浄機の使用中に家族4人が体調不良となり気管支炎と診断された事例、フィルターから白い粉が落ちており、のどの痛みにつながった事例、窓を閉め切った部屋での使用中に目やのどの痛みが出て、飼っていた小鳥が死亡した事例(同じ部屋で別の機器も使用されており、要因の切り分けは難しい内容)です。

このほか、フィルター交換時や持ち運び時にけがをした事例もありますが、これは空気清浄機に限った話ではなく、製品固有の危険とまではいえないでしょう。

加湿器の事故事例

該当は193件でした。

こちらも9割以上が「火災」「焼損」「発煙」「出火」と、蒸気の噴出口に触れたことによる火傷(乳児の火傷を含む)です。死亡事例は、プレス発表の項で触れたレジオネラ肺炎の1件と同一のものが確認されました。

大規模な火災としては、留守中に出火して自宅兼診療所が全焼した事例や、寝室で使用中に発火して約36平方メートルを半焼した事例があります。

調査結果のまとめと、件数を比較するときの注意点

調査結果を表に整理します。いずれも2022年8月の調査時点の件数です。重大な事故は、死亡事故や家屋全焼などを指します。

プレス発表が行われた事故事例(経済産業省)

機器 事故件数 重大な事故
オゾン発生器 1 0
空気清浄機 14 0
加湿器 16 1

報告義務がない事故事例(NITE)

機器 事故件数 重大な事故
オゾン発生器 13 0
空気清浄機 196 3
加湿器 193 4

この表を見るときは、2つの注意点があります。

1つめは、普及台数の違いです。空気清浄機や加湿器は一般家庭に広く普及している製品であり、オゾン発生器とは使用されている台数が大きく異なります。件数の差を、そのまま危険度の差として読むことはできません。

2つめは、事故の内訳です。3つの機器に共通して、事故の大半は発煙・発火などの「電気製品としての故障」に起因するものでした。これは空気清浄機や加湿器が特別に危ないという話ではなく、電気製品全般につきまとうリスクです。一方、オゾン発生器に固有といえる健康被害の事例は、浴槽での想定外の使用による軽傷1件にとどまっていました。

この調査からいえるのは、「空気清浄機や加湿器が危険だ」ということではありません。公的な事故データを見るかぎり、オゾン発生器が他の電化製品と比べて特別に危険だと結論づける材料は見当たらない、ということです。同時に、事故事例が少ないことだけを根拠に安全と言い切ることもできません。どの機器も、想定された使い方の範囲で使うことが前提になります。

事故事例から見える、購入前・使用時の確認ポイント

今回の事故事例を踏まえると、オゾン発生器を検討・使用するときに確認したいポイントは次のように整理できます。

機器のタイプを確認することが出発点です。オゾン発生器には、家庭用、業務用、業務用・家庭用兼用があり、有人環境で使える前提の製品と、無人環境での使用を前提とする製品があります。人がいる空間で使いたい場合は、有人環境に対応したタイプやモードがあるかを、製品仕様で確認します。無人前提の業務用機器を、人やペットがいる空間で使うことは避けます。

取扱説明書の使用条件を守ることも重要です。対応する部屋の広さ、連続運転時間、使用後の換気など、製品ごとに示された条件が安全な使い方の土台になります。

想定外の使い方をしないことは、今回の浴槽の事例が示す教訓です。空間用のオゾン発生器を水中で使うなど、設計上の想定から外れた使い方は、本来起きない事故の原因になります。オゾン水が必要であれば、オゾン水の生成を目的に設計された機器を選ぶほうが安全です。

使用中に違和感があれば、いったん止めて換気することも基本動作です。のどや目の違和感、体調の変化を感じたら使用を中止し、空気を入れ替えてから状況を確認します。

最後に、これはオゾン発生器に限りませんが、本体の異音・異臭・変形・過熱に気づいたら使用をやめることです。空気清浄機や加湿器の事故の大半が発煙・発火系だったように、電気製品の重大事故は故障の兆候を見逃したまま使い続けたときに起きやすくなります。

事故データから考えるオゾン発生器との付き合い方

公的データベースで確認できる範囲では、オゾン発生器は特別に危険な機器ではありませんでした。プレス発表された重大事故は0件で、NITEの事例も特定製品の不具合と、想定外の使い方による軽傷1件が中心です。

一方で、機器の安全性は「機器そのもの」と「使い方」の組み合わせで決まります。オゾン発生器を検討する際は、事故の有無だけでなく、自分の使用環境に合ったタイプの機器か(有人か無人か、部屋の広さ、用途)、取扱説明書の条件を守れる運用ができるかを合わせて確認することが、安心して使い続けるための近道になります。

よくある質問

オゾン発生器で過去に死亡事故はありますか?

公的データベースの調査では、オゾン発生器の死亡事故は確認されていません。2022年8月時点の調査で、経済産業省のプレス発表事例は実質0件、NITEの事故情報データベースでも死亡などの重大事故はありませんでした。確認された健康被害は、浴槽に入れるという想定外の使い方による軽傷1件です。

オゾン発生器は空気清浄機や加湿器より危険ですか?

事故データ上、オゾン発生器が特別に危険だと示す材料は見当たりません。NITEの事故情報データベースでは、オゾン発生器13件に対し、空気清浄機196件、加湿器193件でした(2022年8月調査時点)。ただし普及台数が大きく異なるため、件数の差をそのまま危険度の差として読むことはできません。オゾンマートの品質について

オゾン発生器の事故事例はどこで調べられますか?

経済産業省とNITEの2つの公的データベースで、誰でも無料で調べられます。経済産業省の製品事故検索では報告義務のある事故を、NITEの事故情報データベースでは報告義務のない事故まで確認できます。キーワードや製品名で検索でき、購入前の安全確認に役立ちます。経済産業省の製品事故検索NITEの事故情報データベース

人がいる部屋でオゾン発生器を使っても大丈夫ですか?

製品タイプによって異なるため、有人環境対応の有無を製品仕様で確認してください。オゾン発生器には家庭用、業務用、兼用があり、人がいる空間に対応したモードを持つ製品もあります。一方、無人環境を前提とする業務用機器を、人やペットがいる空間で使うことは避けてください。オゾン発生器の製品一覧

オゾン水を作りたい場合はどの機器を選べばよいですか?

オゾン水が必要な場合は、専用のオゾン水生成器を使う方法が安全です。空間用のオゾン発生器を浴槽の水中で使うと、オゾンが水に溶けにくく室内の濃度が上がり、咳などの症状が出た事故例があります。水への溶け込みを前提に設計された電解式のオゾン水生成器を選んでください。オゾン水生成器の製品一覧