オゾンコラム

ATP検査でわかること・わからないこと|オゾン除菌との組み合わせ方

ATP検査でわかること・わからないこと|オゾン除菌との組み合わせ方

施設の衛生管理では、「除菌作業はしたけれど、本当にきれいになったのかが分からない」という悩みがよく聞かれます。そのときに役立つのが、汚れの程度を数値で確認できるATP検査です。ただし、ATP検査でできるのは「汚れと除菌残りの推定」であって、ウイルスそのものの検出ではありません。この記事では、ATP検査でわかること・わからないことを整理したうえで、オゾン(オゾン水と気体オゾン)による除菌とどう組み合わせれば、状態を確認しながら感染症対策を進められるのかをまとめます。

ATP検査でわかること・わからないこと

ATP検査はウイルスそのものの検出はできない

ATP検査は、生き物や食品などに含まれるATP(アデノシン三リン酸)という物質の量を測る方法です。ウイルスの遺伝物質を測るものではありません。そのため、ATP検査の数値が高くても「そこにウイルスがいる」と判定することはできません。

検査キット「ルミテスター」を販売するキッコーマンバイオケミファも、公式に新型コロナウイルスの検出はできないと案内しています。ウイルスの有無そのものを調べたい場合は、PCR検査など別の方法が必要です。まずは「ATP検査はウイルス検査ではない」という前提を押さえておくことが大切です。

ATPは「汚れ」と「除菌残り」を推定する指標になる

ATPは、人の手や唾液、食品など、さまざまな有機物に含まれています。そのため、人がよく触れた場所や飛沫が飛んだ場所では、ATPが多く検出されやすくなります。これが「汚れの目安」として使われる理由です。

また、除菌作業のあとにATPが多く残っていれば、拭き残しや除菌不足の可能性を推定できます。ATP検査は、ウイルスを直接見るための道具ではなく、汚れと除菌の状態を数値で推定するための道具だと考えると分かりやすくなります。

ATP検査が感染症対策で役立つ理由

ATPが多い場所は、人の接触や飛沫があった可能性が高い

ウイルスは、接触や飛沫を通じて広がるとされています。ATPが多く検出された場所は、人が触れた、あるいは飛沫が飛んだ可能性が高い場所だと考えられます。

その場所が100%ウイルスに汚染されていると断定できるわけではありません。ただし、重点的に対処したほうがよい場所の見当をつける材料にはなります。やみくもに全体を作業するのではなく、優先順位をつけやすくなる点が利点です。

除菌前後の比較(ビフォー・アフター)に使える

ATP検査は、除菌作業の前後で測り直すことで、その効果を推定できます。作業後に数値が大きく下がっていれば、汚れが減ったと考えられます。逆にあまり下がっていなければ、もう一度対処する判断ができます。

目に見えない除菌作業の結果を数値で確認できることが、ATP検査を感染症対策に取り入れる大きな理由になります。

ATP検査の基本的な進め方と数値の見方

測定の流れ

ここでは、キッコーマンのルミテスターを例に流れを示します。基本的な手順は次のとおりです。

  • 検査したい場所を、専用の綿棒でぬぐう
  • その綿棒を試薬の入った容器に挿入する
  • 容器を端末にセットして測定する
  • 約10秒ほどで、画面に数値が表示される

数値が大きいほど、その場所にATPが多いことを意味します。費用の目安としては、端末がおよそ10万円、試薬が40回分でおよそ1万円とされています(モノタロウ掲載価格・参考時点の目安。価格は時期や販売店で変わります)。

数値(RLU)の見方と注意点

ATP検査の数値は「RLU」という単位で表示されます。キッコーマンが示す例では、未殺菌の状態でトイレのドアノブが約18,000RLU、エレベーターのボタンが約9,000RLU、病院などでは500RLU以下が一つの目安とされています。

ただし、この数値はあくまで一例です。基準として使える数値は、施設の種類、測定する対象、運用ルールによって異なります。他施設の数値をそのまま自施設に当てはめるのではなく、自分たちの環境で測りながら基準を決めていく考え方が適しています。なお、オゾン水とアルコールでATP値の下がり方を比較した検証もあり、拭き取り後の数値の変化を確認できます。

ATP検査とオゾン除菌の役割分担

検査は「目」、除菌は「手」という整理

感染症対策では、ATP検査とオゾンの役割を分けて考えると整理しやすくなります。ATP検査は、汚れや除菌残りを確認する「目」の役割です。一方で、実際に汚れに対処するには「手」にあたる手段が必要です。

ATP検査だけでは除菌はできません。検査で状態を把握し、その結果をもとにオゾンなどで対処する、という流れで考えると役割が明確になります。

接触面はオゾン水、空間は気体オゾンという使い分け

オゾンには、水に溶かしたオゾン水と、気体のオゾンがあります。対象によって向き不向きがあるため、優劣ではなく使い分けで考えます。

  • 人がよく触れる面(机、椅子、ドアノブ、手すりなど)は、オゾン水を吹き付けて拭き取る方法が使われます
  • 空間全体は、気体のオゾンで処理する方法があります。気体は狭い隙間にも入りやすい点が特徴です

接触面と空間で適した方法が異なるため、両方を組み合わせて使うケースもあります。ATP検査で汚れが多いと分かった場所から優先的に対処していくと、作業に無駄が出にくくなります。

オゾン機器を組み合わせるときの前提条件

機器分類(家庭用・業務用・兼用)と有人/無人の前提

オゾン機器は、ひとくくりにはできません。大きく分けて、家庭用、業務用、そして業務用・家庭用の兼用があり、想定される使い方が異なります。

高濃度のオゾンで空間を処理するタイプは、人やペットがいない無人環境での使用を前提にしている製品が多くあります。一方で、低濃度で運転し、人がいる空間でも使えるように設計された製品もあります。「オゾン機器はすべて無人専用」とも、「どれでも有人空間で使える」とも言い切れません。製品ごとの区分と仕様を確認することが前提になります。

使用前に確認しておきたいこと

オゾン機器を導入・運用する前に、次の点を確認しておくと判断しやすくなります。

  • その機器が有人前提か、無人前提か(製品の区分・仕様で確認する)
  • 高濃度で空間処理を行う場合は、人やペットの退避と、使用後の換気・待機時間
  • 推奨される濃度、運転時間、対象空間の広さ(取扱説明書や製品仕様に従う)
  • 食品を扱う場所では、食品衛生面での取り扱いも合わせて確認する

濃度や時間などの具体的な数値は、製品ごとに前提が異なります。一般化した数値で判断せず、使用する機器の仕様に沿って運用することが大切です。

ATP検査とオゾンを「確認しながら使う」ための要点

最後に、ATP検査とオゾンを組み合わせるときの要点を整理します。

  • ATP検査は、汚れと除菌残りを推定するもので、ウイルスそのものの検出ではない
  • 除菌は、接触面はオゾン水、空間は気体オゾンというように、対象に応じて使い分ける
  • オゾン機器は分類と有人/無人の前提が異なるため、製品の区分・仕様で確認する
  • 除菌のあとにもう一度ATPを測り、数値の下がりを確認すると、対策の結果を見える化できる

感染症対策は、一度の作業で「終わり」と言い切れるものではありません。検査で状態を確認し、オゾンで対処し、また確認する、という流れを繰り返すことで、状態を見ながら対策を進めやすくなります。

よくある質問

ATP検査でウイルスそのものは検出できますか?

ATP検査はウイルスそのものの検出はできず、汚れの指標であるATPの量を測る方法です。ウイルスの有無を調べるにはPCR検査など別の手段が必要です。ただし、人が触れた場所や飛沫が飛んだ場所の推定や、除菌残りの確認に役立つため、感染症対策の補助として活用できます。

ATP検査の数値(RLU)はどう見ればよいですか?

ATP検査の数値はRLUという単位で表示され、値が大きいほど汚れが多いことを示します。キッコーマンの例では病院などで500RLU以下が一つの目安とされますが、基準は施設や対象、運用で異なります。他施設の数値をそのまま当てはめず、自分たちの環境で測りながら基準を決める考え方が適しています。

ATP検査とオゾンはどう組み合わせるのですか?

ATP検査で汚れを確認し、汚れが多い場所からオゾンで除菌していくのが基本的な流れです。検査は状態を見る「目」、オゾンは対処する「手」と整理すると分かりやすくなります。除菌後にもう一度ATPを測り、数値の下がりを確かめることで、対策の結果を見える化できます。

接触面と空間で使うオゾンは違うのですか?

接触面はオゾン水、空間は気体のオゾンと、対象によって向いている方法が異なります。机やドアノブなど人がよく触れる面は、オゾン水を吹き付けて拭き取る方法が使われます。空間全体は、狭い隙間にも入りやすい気体のオゾンで処理する方法があり、両方を組み合わせるケースもあります。オゾン水生成器を見る

オゾン機器は人がいる場所でも使えますか?

オゾン機器は製品ごとに前提が異なり、有人で使えるものと無人前提のものがあります。高濃度で空間を処理するタイプは、人やペットがいない無人環境での使用を前提にした製品が多くあります。導入前に、その機器が有人前提か無人前提か、換気や待機時間を製品仕様で確認しておくと安心です。オゾン発生器を見る

ATP検査やオゾンの導入について相談できますか?

オゾンマートでは、用途に合ったオゾン機器の選び方や運用について相談を受け付けています。オゾンマートは2008年からオゾンを専門に扱い、オゾン専業17年、導入実績は2万社を超えます。会社概要を見るレンタルを見る