研究には「オゾンクラスター1400」を使用しました。

オゾンマートで取り扱っているオゾン装置は、大きく分けて「空気からオゾンを作るタイプ」と「水からオゾンを作るタイプ」があります。

「水からオゾンを作るタイプ」は水道水かミネラルウォーターでのみ使用が可能です。

そのため、廃水中でオゾンを発生させる必要のある今回は「空気からオゾンを作るタイプ」の機種のなかでも強力なオゾン生成が可能である「オゾンクラスター1400」により発生したオゾンを、廃水に溶け込ませる手法をとりました。 

オゾンクラスター1400について詳しくはこちら

2. 【実験】豚舎廃水の殺菌・脱色と再利用

2-1. 廃水の殺菌

豚舎の廃水には、細菌や大腸菌を含む微生物が存在します。

この廃水をオゾンで処理することで、一般細菌は6分で、大腸菌は3分で検出されなくなりました。

2-2. 廃水の脱色

廃水は、左の写真のように黄色がかった色をしています。

これをオゾンで処理することで、酸化作用によって色素が分解され、5分程度で無色透明に近くなりました。

2-3. 廃水の野菜栽培への再利用 ①生育

オゾンで処理した廃水を野菜の栽培に使用しても問題ないか確認するため、小松菜とリーフレタスの生育実験を行いました。

実験では、下記の4種類の水を与えて野菜を栽培し、生育具合を比較しました。

 ① 普通の水に化学肥料を足した水
 ② オゾンで処理した廃水を1/2に希釈し、化学肥料を足した水
 ③ オゾンで処理した廃水に化学肥料を足した水
 ④ オゾンで処理していない廃水
(③は、廃水に肥料分が含まれている分、化学肥料の量は①の半分にしています)

実験の結果、オゾンで処理した廃水を使って野菜を栽培しても、普通の水で栽培するのと変わらないか、それ以上に生育することが確認できました。

① 普通の水に化学肥料を足した水を使って栽培した様子

② オゾンで処理した廃水を1/2に希釈し、化学肥料を足した水を使って栽培した様子

③ オゾンで処理した廃水に化学肥料を足した水を使って栽培した様子

④ オゾンで処理していない廃水を使って栽培した様子

栽培を始めて5週間後に、それぞれ重さで比較した結果がこちらです。

見た目だけでなく、重さ(=収穫量)でも、廃水を使用して栽培した野菜は、普通に栽培した野菜と遜色なく生育していることが分かります。

2-4. 廃水の野菜栽培への再利用 ②機能性

生育に問題がないことが分かったため、今度は生育した小松菜とリーフレタスの抗酸化作用を調べる実験も行いました。
一般に、抗酸化作用が高い食品は美容や健康に良いとされています。
抗酸化作用は、試験用の「DPPHラジカル」という物質を消去する力(=「DPPHラジカル消去能」)で評価されます。

今回の実験では、廃水を使って育てた小松菜やリーフレタスのほうが、普通の水を使って育てたものよりもDPPHラジカル消去能が高い(=抗酸化作用が高い)という傾向がみられました。

3. 今後の展望

3-1.オゾン装置を用いた廃水問題解決の可能性

今回の実験では、焼酎粕分解後の廃水に対するオゾンの殺菌・脱色効果と、野菜栽培への再利用が可能であることを確認できました。

特に野菜の栽培では生育に問題がないだけでなく、処理した廃水を使って栽培することで野菜の抗酸化作用が高まるという傾向がみられました。

実験を進めて効果を検証し、処理効率をさらに高めることで、当社のオゾン発生器を用いた方法で廃水を再利用し、環境への負担を軽減できる可能性があります。

3-2.オゾン装置を用いた廃水処理の未来

オゾン装置を導入して廃水をその場で処理できるようになれば、周りの環境への悪影響を減らし、廃水を処理施設と連絡するためのインフラを整えるコストを減らせます。

また、これまで活用できていなかった廃水をオゾンで処理することで肥料の代わりに利用できれば、肥料のもととなる資源を節約でき、農業の持続可能性が高まります。

人口が増加し、生産性の向上と持続可能性が重要視されている現在において、オゾン装置を用いた廃水処理は有望なリサイクルシステムとなりえます。