オゾンコラム

加工食品のO157対策|汚染が起きやすい段階と予防の考え方

加工食品のO157対策|汚染が起きやすい段階と予防の考え方

加工食品でのO157食中毒は、特定の誰かを責めれば解決するものではありません。原材料が消費者の手元に届くまでの流れの中で、どこで菌が入り、どこで増えるのかを段階ごとに把握し、それぞれの段階で取れる対策を重ねていくことが基本になります。

この記事では、加工食品でO157が問題になりやすい理由を整理したうえで、汚染が起きやすい段階と、各段階で取れる予防策をセットで解説します。あわせて、洗浄方法の違いや、オゾン水・オゾンを検討する際に押さえておきたい機器の違いも整理します。自社の加工・流通工程に当てはめて、何を確認すればよいかが分かる状態を目指す内容です。

加工食品でO157が問題になりやすい理由

O157は、病原性大腸菌(腸管出血性大腸菌)の一種です。牛などの家畜の腸内にいることがあり、糞便を介して食材や水を汚染することがあります。まずは、加工食品の現場で判断するうえで必要な特性に絞って整理します。

加熱しない・加熱しきれない食品で残りやすい

O157は熱に弱いとされ、食品の中心部まで十分に加熱すれば対応しやすい菌です。食中毒予防の一般的な目安として、次の考え方が広く示されています。

食中毒予防の一般的な目安として、食品の中心部を75度以上で1分以上加熱する考え方が示されています(加熱しない食品には別の対策の組み合わせが必要です)。

問題になりやすいのは、サラダや和え物のように、すべての具材を加熱するわけではない加工食品です。こうした食品では、いったん菌が入り込むと、後から取り除くことが難しくなります。だからこそ、「混入させない」「増やさない」という前段階の対策が重要になります。

温度が上がると増えやすく、冷凍では死滅しない

O157を含む食中毒菌は、温度が上がると増えやすくなります。逆に、低温で保管すると増殖を抑えやすいとされます。ただし、低温は「増えにくくする」ための管理であり、菌そのものを死滅させるものではありません。

冷凍でも同様です。冷凍庫の中でO157が増えることは考えにくい一方で、凍結によって死滅するわけではありません。冷凍した加工食品を扱う場合は、解凍後の取り扱いや加熱まで含めて考える必要があります。

加工食品が届くまでの流れと、汚染が起きやすい段階

スーパーやコンビニで販売される加工食品の多くは、店舗内でゼロから作られているわけではありません。原材料の収穫・畜産から、運送、加工、販売・提供までの流れを経て、消費者の手元に届きます。

加工食品が消費者に届くまでの流通経路図

O157対策を考えるときは、この流れのどこで「菌が持ち込まれるか(混入)」と、どこで「菌が増えるか(増殖)」を分けて見ると整理しやすくなります。混入は主に、家畜由来の汚染や、人・器具を介した二次汚染で起こります。増殖は、温度管理が不十分な場面で起こりやすくなります。次の章で、段階ごとにリスクと対策を見ていきます。

段階ごとのリスクと取れる対策

ここからは、流れの各段階について、起こりやすいリスクと、その段階で取れる対策をセットで整理します。自社が関わる段階を中心に確認してみてください。

収穫・畜産の段階(菌が持ち込まれる入口)

O157は家畜の腸内に由来することがあるため、畜産や農業の現場は、菌が持ち込まれる入口になりやすい段階です。家畜の導入時の管理、人の出入りの管理、害獣・害虫対策、飼料や水の管理など、菌を外から入れない・広げないための衛生管理が基本になります。

加工に回す食材を出荷する前の段階で、洗浄によって表面の菌を減らす取り組みも、入口での対策のひとつです。

運送の段階(庫内環境と温度管理)

運送の段階では、トラックの庫内環境と温度管理がポイントになります。庫内が汚れていれば、輸送中に食材へ菌が移る可能性があります。また、温度が上がれば、輸送中に菌が増えやすくなります。

対策としては、庫内の定期的な清掃と、低温を保った輸送が基本です。特に気温の高い時期は、温度管理の徹底が重要になります。

加工の段階(洗浄と、人由来の二次汚染)

加工の段階は、O157対策の中心になりやすい工程です。大きく「食材の洗浄」と「加工中の二次汚染の防止」に分けられます。

食材の洗浄では、「届いた食材は汚染されているかもしれない」という前提に立ち、菌を減らしてから加工に進む考え方が基本です。洗浄方法は複数あり、後の章で違いを整理します。

二次汚染の防止では、人を介した汚染が大きな論点になります。作業員の手指の洗浄が不十分だったり、加熱済みの食品や加熱しない食品に菌が付着したりすると、そのまま出荷されてしまうことがあります。手指の衛生管理、器具の使い分け、加熱済み食品と未加熱食材の区分け、そして加工後も低温を保つ温度管理を組み合わせることが重要です。

販売・提供の段階(再汚染と温度管理)

販売・提供の段階では、「新たに菌を混入させない販売方法」と「菌を増やさない温度管理」が論点になります。

包装された加工食品は、再汚染のリスクが比較的抑えられます。一方で、量り売りやトングでの取り分けのように、開放された状態で扱う販売方法では、スタッフや来店者を介して菌が付着する可能性が高まります。あわせて、冷蔵が必要な食品が常温で長時間置かれていないか、温度管理の確認も欠かせません。

洗浄段階での方法の違いと使い分け

加工の段階で行う洗浄には、いくつかの方法があります。どれが優れているという話ではなく、対象や現場の条件によって向き不向きが異なります。比較軸として、対象(何を処理するか)、すすぎや残留の扱い、菌とウイルスへの考え方、現場での扱いやすさを意識すると整理しやすくなります。

食材の洗浄のイメージ

加熱は、対応の確実性が高い方法ですが、加熱できる食材に限られます。加熱しない食材には、別の方法を組み合わせる必要があります。

食材用の洗浄剤は、汚れや菌を洗い流すことを前提とした方法です。用途に応じて使い分けられます。

次亜塩素酸ナトリウムは、食品の現場で広く使われている方法です。使用にあたっては、すすぎや残留、においへの配慮が必要になる場面があります。

オゾン水は、オゾンを水に溶かしたもので、時間の経過とともに酸素に戻る性質があるとされます。この性質から、洗浄後にすすぎの負担が比較的少ない場面があると整理されることがあります。一方で、オゾン水を作るための生成器が必要になり、濃度や接触時間の管理が前提になります。

これらは、どれか一つだけで完結させるものではなく、加熱・洗浄・温度管理・清掃を組み合わせる中で、現場の条件に合うものを選ぶ考え方が基本になります。

オゾン水・オゾンを検討するときの機器カテゴリの違い

オゾンを使った対策を検討する場合、まず「オゾン水を使うのか」「空間にオゾンを使うのか」で機器が分かれます。混同しやすいため、分けて整理します。

オゾン水生成器(食材・器具・庫内の洗浄)

オゾン水生成器は、食材や器具、庫内などの洗浄にオゾン水を使うための機器です。気体のオゾンとは異なり、オゾン水は生成中に人や動物が近くにいても扱いやすいとされ、有人・無人を分けて考える必要は基本的にありません。

オゾンマートでは、家庭用・業務用兼用のオゾンバスターや、業務用のオゾンバスターPROなどを扱っています。比較的小規模な現場でも導入しやすい製品があり、農業・畜産・食品加工の現場で使われています。具体的な使い方や濃度・接触時間の条件は、製品仕様に沿って確認することが前提です。

空間用のオゾン発生器(無人前提の業務用と、兼用機器の違い)

空間にオゾンを行き渡らせて処理するタイプは、機器のカテゴリによって使用条件が異なります。「オゾン発生器=無人空間専用」と一括りにしない点が重要です。

高濃度のオゾンで空間を処理する業務用の機器は、人やペットがいない無人環境での使用を前提に設計されています。オゾンクラスター1400オースリークリア3がこのタイプにあたり、使用後の換気や使用時間の管理が前提になります。

一方で、モードを切り替えて使う業務用・家庭用兼用の機器もあります。たとえばオゾンクルーラーは、高濃度モードのみ無人環境での使用を前提とし、それ以外のモードは人やペットがいる環境でも使える設計です。空間対策を検討する場合は、その機器がどのカテゴリで、どのモードがどの環境向けなのかを、製品仕様で確認することが大切です。

自社の加工・流通工程でO157対策を整理するための確認ポイント

最後に、自社の現場に当てはめて検討するための確認ポイントを整理します。O157対策は、清掃・加熱・温度管理という基本を土台にしたうえで、洗浄方法や空間対策を組み合わせて考えると整理しやすくなります。

確認しておきたい観点は次のとおりです。

  • 自社が関わるのは、収穫・畜産/運送/加工/販売・提供のどの段階か
  • 扱う食品は、加熱する食品か、加熱しない・しきれない食品か
  • 仕入れから出荷・販売まで、低温を保てているか
  • 食材の洗浄方法は、対象と現場条件に合っているか
  • 手指・器具を介した二次汚染を防ぐ運用ができているか
  • 空間対策が必要な場合、無人前提の業務用と兼用機器のどちらが運用に合うか
  • 各機器・各方法の使用条件を、製品仕様や基準に沿って確認できているか

これらは、製品や現場ごとに前提が異なります。一つの方法だけに頼るのではなく、自社で管理できる段階を見極め、基本的な衛生管理に対策を重ねていく姿勢が、結果として食中毒リスクを抑えやすい運用につながります。

ご購入いただいたお客様の声

よくある質問

加工食品でO157が特に問題になりやすいのはどんな食品ですか?

加熱しない、または加熱しきれない加工食品で残りやすいとされます。サラダや和え物のように、すべての具材を加熱するわけではない食品は、いったん菌が入ると後から取り除くことが難しくなります。加熱で対応できる食品と分けて考え、混入させない・増やさない対策を重ねることが大切です。

O157は冷凍すれば死滅しますか?

冷凍は増殖を抑える管理であり、菌を死滅させるものとは異なります。低温では増えにくくなりますが、凍結によって死滅するわけではありません。冷凍した加工食品を扱う場合は、解凍後の取り扱いや加熱まで含めて考える必要があります。低温管理と加熱を切り分けて整理しておくと判断しやすくなります。

加工食品の汚染はどの段階で起きやすいですか?

収穫・運送・加工・販売の各段階で「混入」と「増殖」が起こり得ます。混入は家畜由来の汚染や、人・器具を介した二次汚染で起こりやすく、増殖は温度管理が不十分な場面で起こりやすくなります。自社が関わる段階を中心に、それぞれの対策を重ねていく考え方が基本になります。

食材の洗浄でオゾン水と次亜塩素酸ナトリウムはどう違いますか?

どちらが優れるかではなく、対象や現場条件によって向き不向きが異なります。次亜塩素酸ナトリウムは広く使われますが、すすぎや残留、においへの配慮が必要な場面があります。オゾン水は時間で酸素に戻る性質があるとされ、すすぎの負担が少ない場面があります。詳しくはオゾン水生成器のページもご確認ください。

オゾンを使った対策にはどんな機器がありますか?

大きく「オゾン水生成器」と「空間用のオゾン発生器」に分かれます。オゾン水生成器は食材や器具の洗浄に使い、有人・無人を分けて考える必要は基本的にありません。空間用は無人前提の業務用と、モード切替で有人環境にも使える兼用機器があります。詳細はオゾン発生器のページをご覧ください。