PSEマークの意味とは?販売者や消費者の間違った知識が生む誤解と注意点
電気用品をよく見ると表示されている「PSEマーク」というのをご存知でしょうか。
あらゆる製品にたくさんの表示がついているので、「よく見るけど意味はわからない」という人が多いのが現状です。
例えば洗濯に関するマークのように、水や数字ついているものは何となくですが意味は分かります。
PSEマークはそもそも何なのか?という基本を知らない人が多く、またはその意味を間違えたり勘違いをしている人が多いので、こちらの記事で詳しく解説します。
PSEマークとは
こちらがPSEマークですが、一度はご自宅の電気用品についているのを目にした事があるのではないでしょうか。
この意味を知っている一般の消費者は少なく、形は丸型とひし形があり、その意味もまた違います。
そもそもPSマークというものがあり、PSマークの定義は「一般消費者の生命又は身体に対する危害の防止を図るため、製品安全法に基づく基準に適合した製品にのみ、貼付が認められ、かつ表示が義務付けられている。」(経済産業省「インターネット取引で製品を販売される皆様へ」より)ということです。
その中で「電気用品安全法」に特化したものが「PSEマーク」となります。
PSEは「Product Safety Electrical appliance & materials」の頭文字をとったもので、電気用品安全法に基づき電気用品が国の基準を満たしていることを示すマークです。
これは「自主検査」が基本。「取得」や「許可」といったことはありません。
販売者や業者はこれから輸入しようとしている、または販売しようとしている電気製品がPSEの対象なのかどうかを、自分で判断しなければいけないのです。
このルールをよく知らず取得するものだと勘違いしている、販売者や業者は意外と多いのが現状。販売者や業者は正しい知識を持って、消費者へ販売することを念頭におきましょう。
画像:【プロが教える】脱臭機の最強おすすめ人気ランキング10選【2019年最新版】から
ちなみに、上記の画像はmybestというサイトの「【プロが教える】脱臭機の最強おすすめ人気ランキング10選【2019年最新版】」という記事に書かれているものであり、この記事はニオイのプロである臭気判定士さんによるものらしいです。このように、何かの専門家であっても、PSEマークは誤解されていることが多いのです。
PSEマークの種類
PSEマークは大きく分けて2種類あります。形で言えば先にもお話しましたが、丸型とひし形です。これにはちゃんと意味があります。
また電気用品は、区分ごと及び品目ごとに対象となる範囲(定格消費電力の上限等)が決められているので紹介します。(参考元:「行政書士 EIL国際法務事務所 輸入業者のためのPSE(2)」)
PSE<特定電気用品>
ひし形のPSEマークは「特定電気用品(高い安全性が要求される116品目)」を表しており、「工場監査」が要求されます。主な電気製品は次の通りです。
・電線(電源とつながるもの)
・配線器具(電源とつながるもの)
・電流制限器(電源とつながるもの)
・変圧器
・安定器(電源とつながるもの)
・電圧器具(熱を出すもの)
・電動力応用機械器具(モーターがついているもの)
・電子応用機械器具(人体に使用するもの)
・交流用電気機械器具
・携帯発電機
簡単にいうと、ACアダプタがある電気用品はひし形PSEに分けられます。本体がPSE対象品でなくても、AC-DCアダプタが付いていればPSE対象品です。いくつか例を挙げます。
例1)マルチタップ
一般家庭によくあるマルチタップ(俗に言う延長コード)ですが、電源に直接つながるものなので対象となる電気用品です。
例2)オゾン発生器(脱臭機)
家の中のさまざまなニオイの元を分解して取り除くオゾン発生器ですが、日本国内で海外製造の電気製品を販売する際は、PSEマーク表示が義務付けられています。ただよく理解していない一部の業者が、中国から仕入れた粗悪品を販売し「日本適合・PSEマーク取得済み」としているケースも見られます。こういったコピー品や粗悪品は品質や安全性に欠けるので、消費者センターや販売元まで連絡をしましょう。
PSE<特定電気用品以外>
丸形のマークは「特定電気用品以外の電気用品」のことで341品目あります。
・電線
・配線器具
・変圧器
・安定器
・小形交流電動機(熱源となるもの)
・電動力応用機械器具(モーターのついているもの)
・光源・高原応用機械器具(光を発するもの)
・電子応用機械器具
・交流用電気機械器具
・リチウムイオン蓄電池
例1)扇風機・電気ストーブ・電気ホットプレート・電熱ナイフ・電気カーペットなど
これらは「熱源となるもの」なので、電源に直接つながっていない特定電気用品以外のPSEとなります。
例2)電動ミシン・ジューサー・サーキュレーター・チャイム・電動歯ブラシなど
こちらも特定電気用品以外のPSEとなります。
<PSE対象外>
PSE非対象のものもあります。定義は「電気用品ではない」ということ。
・PC
・プリンタ
・タブレット
・スマートフォン
・デジタルカメラ など
上記のものは、AC/DCアダプタなどでDCに変換した電源で動作させるか、内蔵のリチウム電池に充電してから動作させるためDCでしか動きません。こういったものはPSE対象外です。
ちなみに、モバイルバッテリーは2018年2月1日からPSE対象となっています。
PSEマークがあるからといって必ずしも安全とは限らない
あくまでPSE表示は消費者に対する「事業者の自己申告」です。ひし形のPSEマークについては、第三者機関による認証が必要となり、丸形のPSEマークの認証は任意です。
PSEマークのシールを本体に貼るだけで簡単なので、輸入業者や製造者が適正な検査もせずに表記してある製品があることも。こういった間違った表記は、そもそも「PSEマーク(電気用品安全法の内容や手順)」を理解しておらず、自らの失態をさらしているも同然なのです。
まずはPSEの適合品かどうかを調べる必要があり、ちゃんとした手順に従ってPSEマークの申請をすること。ついPSEマークを見て安心という誤解をし、安さに負けて購入して「失敗した」「事故が起きた」ということにならないように注意が必要です。
消費者はなかなかPSEマークについて詳しい人は少ないですが、特に海外製品をネットで購入する時などはちゃんと適合品かどうか確認をしてから購入しましょう。
フリマやネットオークションでのPSEマークの取り扱い
近年はネットショッピングやフリマ、オークションなどでの売買が多く、それに伴いニセモノや粗悪品、不良品などの問題も抱えています。大手の通販会社やサイトではPSEマーク(PSマーク全般)の取り扱いや表記について、お知らせや出品禁止物の項目に案内がされています。
例えば、開封済みのモバイルバッテリーはPSEマークの記載があっても出品停止になってしまうケースもあるようです。
経済産業省では「インターネット取引で製品を販売される皆様へ」と題して、「日本国内の一般消費者へ販売する対象製品は、「PSEマーク」の貼付がないと販売できません」と注意を促しています。これに違反すれば、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金に処すという罰則があり、大変なことになりかねません。販売者でもPSEマークに対して正しい知識がなく、悪気がないまま販売している可能性もあります。
消費者の立場ではわからないこともありますが、PSEマークについて知っておくことは、安心安全に電気用品を使っていくために決して無駄ではありません。