オゾンの濃度と安全性について正しく理解しよう
オゾン発生器を利用する上で大切なのは、安全に利用して正しく除菌・脱臭を行うこと。
では、オゾンの濃度はどのように理解すればよいのか、オゾン濃度と安全についてお伝えします。
1.オゾンの濃度について理解する
オゾン濃度を測定する際に使われる単位は「ppm」と呼ばれるものになります。
これは”parts per million”の略で、「百万分のいくつか」を表す単位となります。
オゾンの場合は、空気中にどの程度のオゾンが含まれているかを示します。
以下に”ppm”と”%”の変換表を掲載します。
ppm | % |
---|---|
0.01ppm | 0.000001% |
0.1ppm | 0.00001% |
1ppm | 0.0001% |
10ppm | 0.001% |
100ppm | 0.01% |
1000ppm | 0.1% |
10000ppm | 1% |
次に、国民生活センターでは、オゾンの濃度の安全性について、以下のように解説しています。
団体名 | 基準 | 濃度 |
---|---|---|
日本産業衛生学会 | 作業環境基準 | 0.1ppm以下 (0.2mg/立方メートル) |
アメリカ食品医薬品局 (FDA) | 室内環境基準 | 0.05ppm以下 |
日本空気清浄協会 | 室内環境基準 | 最高0.1ppm 平均0.05ppm |
まず、「作業環境基準」ですが、これは「労働者が1日8時間、週40時間程度、肉体的に激しくない労働強度で有害物質に曝露される場合に、この数字以下であれば健康上の影響がないと判断される濃度」という意味です。
つまり、毎日8時間この濃度の環境でずっと働き続けても大丈夫と判断される濃度で、これは0.1ppmとされています。
次に、「室内環境基準」ですが、建築物内(室内)にいる人の健康と快適さが維持されるために維持すべき基準で、物質ごとに「1立方メートル当たり1ppm以下」「1立方メートル当たり0.1g以下」というように表示されます。
アメリカ食品医薬品局では0.05ppm以下、そして日本空気清浄協会では「最高0.1ppm、平均0.05ppm」とされています。
分かりやすくまとめ直すと、以下の通りです。
環境 | 濃度 |
---|---|
8時間程度の労働 | 0.1ppm以下 (0.2mg/立方メートル) |
建物内の濃度 | 0.05ppm以下(米国) 最高0.1ppm 平均0.05ppm (日本) |
「8時間程度の労働」より「建物内の濃度」がより低い濃度が推奨されているのは、「長時間建物内で過ごす場合」が想定されているためです。
ちなみに、オゾン濃度と人体への影響については以下の通りです。
0.1ppmで8時間労働した場合、「オゾンの臭気を感じ、鼻や喉に刺激を感じるが人体には影響はない」のです。
オゾン [ppm] | 作用 |
---|---|
0.01 – 0.02 | 多少の臭気を覚える(やがて慣れる) |
0.1 | 明らかな臭気があり、鼻や喉に刺激を感じる |
0.2 – 0.5未満 | 3 – 6時間曝露で視覚が低下する |
0.5 | 明らかに上部気道に刺激を感じる |
1 – 2 | 2時間曝露で頭痛、胸部通、上部気道の渇きと咳が起こり、曝露を繰り返せば慢性中毒にかかる |
5 – 10 | 脈拍増加、体痛、麻酔症状が現れ、曝露が続けば肺水腫を招く |
15 – 20 | 小動物は2時間以内に死亡する |
50 | ヒトは、1時間以内で生命が危険になる |
*『オゾンと水処理』海賀信好(技術堂出版) より引用
2.あなたのオゾン発生器の濃度は安全か?
では、オゾン発生器を使う場合、空気中の濃度がどの程度のppmになっているかを測定する方法ですが、「オゾン測定器」「オゾン濃度測定器」を使うのが一般的です。
しかし、オゾン濃度の測定のためだけに、数万円をする機械を購入する人は少ないのが実情です。
では、何をもってオゾン濃度を判断するかというと、各オゾン発生器メーカーのオゾン発生量となります。
例えば、2017年12月現在、当サイトで最も多く販売されている「オースリークリア2」(無人環境のみで利用可能なオゾン発生器)では、以下のように表示されています。
ここには「300mg/hr」、つまり「1時間あたり300mg (0.3g)」を発生しますと記載されています。
ここから理論上の濃度を計算することができます。
例えば、何も物が置かれていない6畳の部屋 (2.73m x 3.64m x 天井の高さ2.4m) でオースリークリア2を10分稼働させ、300mg/hr のオゾン発生量があり、部屋に均一にオゾンが拡散され、かつ発生させたオゾンが全く減らないと仮定します。
この場合、1立方メートルあたりのオゾンの量は2.09mgとなります。
しかし、実際にはこうした数値は「実際のオゾン量」を反映していません。
オゾン発生器からオゾンが放出される最中から、オゾンは他の物質と反応して分解され減少していきます。
また、気温や湿度という諸条件により、オゾンの発生量は少なくなる場合があります。
3.信頼できるメーカーの指示通り使えば安全
では、オゾンの濃度について何を信頼して使えばよいのか、という話になりますが、それは「信頼できるメーカー」の製品を購入して、「その指示通りに使う」ことです。
家庭用のオゾン発生器を利用される方は、オゾン濃度測定器を購入して厳密に濃度を測定して、、、という利用はしません。
高濃度の産業用オゾン発生器ではないので、そこまで厳密に濃度を測る必要もありません。
家庭用のオゾン発生器は、オゾン濃度と安全性についてかなりの余裕を見て使い方を定めているためです。
一般的に、家庭用オゾン発生器は一般的に2タイプに分かれます。
1つは「高濃度オゾン発生器で無人環境でのみ利用できる」のタイプで、もう1つは「低濃度オゾン発生器で有人環境でも無地環境でも利用できる」タイプのものです。
なお弊社では、1時間あたりのオゾン発生量が200mg/hr 以下の製品は「有人環境でも利用できるオゾン発生器」、そして200mg/hr を超える製品は「無人環境でのみ利用できるオゾン発生器」として販売しております。