オゾン発生器と空気清浄機の違いを理解する
オゾン発生器をはじめて購入検討されるお客様から、「オゾン発生器と空気清浄機の違いは何か」についてご質問頂くことが増えてきました。
以下では、この2つの違いについてご説明いたします。
空気清浄機の役割
まずは空気清浄機について理解しましょう。
空気清浄機は名称の通り、「空気を清浄するための機械」となります。
なお、空気清浄機の方式としては「ファン式」と呼ばれるものがメインとなっていますので、ファン式について説明します。
まず、空気清浄機がファンを使って、室内の空気を吸入するところから始めます。
そして、取り込んだ空気に含まれる異物を、内部のフィルターで取り除いた後で送風し、そしてまた空気を吸入することを繰り返すという単純な原理になっています。
原理としては極めて単純なので、空気性能機の性能は「どれだけ高性能のフィルターで確実に異物を取り除くことができるか」という点が極めて重要となります。
ちなみに、取り除く異物とは、室内のほこり、花粉、ダニといった目に見える物質ならび、臭いなど目に見えないものも含みます。
これらを取り除くために、不織布を利用した高性能フィルター、そして脱臭用の活性炭を用いられる例が一般的です。
次に、オゾン発生器についてです。
オゾン発生器は、電気反応により強力な脱臭力、除菌力を持つ物質であるオゾンを発生させるところからスタートします。
そして、このオゾンが空気中を漂う中で、他の物質と結びついてより安定した物質に変わろうとする性質を利用して、脱臭・除菌を行います。
他の物質と結びつく際に、強い脱臭・除菌作用を発揮するためです。
空気清浄機と大きく異なる点は2点です。
・オゾンが発生すると特有のオゾン臭が発生します。
利用後に換気することでオゾン臭がなくなります。
・オゾンが高濃度になると、人体に有害です。よって、「人がいる環境であれば低濃度で利用」
「人がいない環境であれば高濃度で利用」と使い分ける必要があります。
オゾンが高濃度であればあるほど、除菌・脱臭効果も強くなります。
除菌・脱臭ならオゾン発生器、ホコリの除去なら空気清浄機
では、ここでオゾン発生器と空気清浄機を比較してみましょう。
Table header 0 | オゾン発生器 | 空気清浄機 |
---|---|---|
脱臭性能 | ◎ | △ |
除菌性能 | ◎ | △ |
ほこり・花粉除去 | △ | ◎ |
有人環境での利用 | ○ できる製品とできない製品あり | ◎ 可能 |
本体の大きさ・重量 | ◎ 空気清浄機と比べ、小型軽量 使う時だけ取り出して利用可能 | △構造上かなりおおきくおもいので、 据え置き利用がメイン。場所を取る |
定期清掃 | ◎ 定期清掃が不要な製品、または多くても月に一度で 清掃が済む製品が多い。清掃箇所は1箇所 | △ フィルターが多層になっているため、早いものだと週に一度 長いものだと月に一度、複数にフィルター清掃が必要 |
交換部品 | ◎ メーカーに依頼し、 放電管を数年に一度交換する程度 | △ 複数のフィルターを定期的に 購入・交換する必要あり |
本体金額 | 数千円から数十万円まで | 数千円から数十万円まで |
・まず、脱臭性能はオゾン発生器の圧勝です。
オゾンの脱臭力は強力であるため、短時間で強い臭いを清掃しなければならない環境に特に適しています。
例えば、ホテルの客室、自動車の車内などで、たばこ臭、ペット臭、食べ物の臭いや香水の臭いを取るなどです。
ちなみに、空気清浄機でも脱臭機能を売りにしているものもありますが、機械によって性能差が大きいこと、そして脱臭にかかる時間がかかること、さらには取れる臭いと取れない臭いの落差が激しいことが問題です。
・次に、除菌性能ですがこれもオゾン発生器の圧勝です。
オゾンが他の細菌やウイルスとと結びつくことで、これらを分解して物理的になくしてしまう点が強みです。
O157のような細菌、インフルエンザ、ノロウイルスのようなウイルスにも効果があります。
空気清浄機は、細菌やウイルスをあくまでフィルターで吸着することにとどまり、物理的になくしてしまうわけではありませんので、効果は一段劣ります。
・ほこりの除去は、空気清浄機が得意とするところです。
多段フィルターを利用して、こうした微粒子を吸着させる、というまさに空気清浄機の本業といえる機能です。
オゾン発生器は、ほこりの除去を目的としていませんので、この機能は搭載されていません。
・花粉については、花粉表面の細胞膜に酸化反応を引き起こすことで、花粉そのものを不活性化する効果が認められています。
・有人環境(人がいる環境)で利用できるかどうかについてですが、どちらも可能です。
ただ、空気清浄機であれば全ての機種が有人環境でも利用できるのに対して、オゾン発生器は機種により有人環境で利用できるものもあれば、利用できないものもあるので、購入前には注意しましょう。
・本体の大きさについてですが、2018/6月時点でオゾンマートで最も強力なオゾン発生器「オゾンクラスター1400」だと、わずか3.5kgであるため女性でも片手で持ち運びできます。
これに対して、2017/11時点で価格コムで最も人気のある製品 (シャープ KC-F50)になると、倍以上の7.7kgとなります。
気軽に持ち運べる重さでないため、据え置き利用が前提となります。
・定期清掃ですが、オゾン発生器の場合「清掃不要」または「月に一度軽く拭き掃除」する程度で済みます。
空気清浄機になると、多層フィルターそれぞれを清掃する必要、それもフィルターによっては週に1度は清掃する必要があります。
・交換部品については、オゾンマートは数年に1度、メーカーにて本体内部の電極を交換する程度です。
空気清浄機はより高い頻度で多層フィルターを購入・交換しなければなりません。
・最後に価格ですが、どちらも「エントリーモデルは数千円、中心価格帯は数万円、そしてハイエンドモデルは数十万円」という点では変わりませんでした。
空気清浄機のメーカーは、シャープ、ダイキン、パナソニック、ダイソン、日立など多数ありますが、どのメーカーも価格はさほど変わりません。
このように、オゾン発生器と空気清浄機では、機能や使い方が大きく異なります。
従って「脱臭・除菌を行いたいのであれば、オゾン発生器」、そして「ほこりの除去を行いたいのであれば、空気清浄機」とご理解ください。