アブラムシとは

種類

アブラムシは、名前に「ムシ」と付くことからも分かるように、嫌なにおいを出すあのカメムシの仲間の昆虫です。

日本には、色も形も違う700種類ほどのアブラムシがいて、それぞれ寄生する植物が決まっています。
サイズは数ミリ程度です。

アブラムシの餌は植物の師管の中を流れる栄養分に富んだ師管液で、植物に群がって、集団で液を吸い取ります。アブラムシに栄養分を吸い取られた植物やウイルスに感染した植物は、生育不良になり枯れてしまうこともあります。

このため、アブラムシは作物や園芸植物の害虫として忌み嫌われる存在です 。

天敵

警報フェロモン

アブラムシには、危険を察知すると警報フェロモンと呼ばれる成分を分泌して仲間に知らせたり、蟻を引き寄せて天敵に対抗したりする面白い習性があります。

アブラムシを顕微鏡で観察すると、なかなかチャーミングな形。
体色も多彩で魅力的なので、隠れアブラムシファン(?)もいるようです。
興味のある方は、アブラムシの世界をのぞいて見てください。

アブラムシ被害

アブラムシはどうやって植物に被害を与えるのか?

若い葉や茎、新芽、枝、花弁に寄生して、栄養分を吸い取ります。
栄養分の中にはアミノ酸が豊富に含まれています。

また、アブラムシが分泌する排泄物中の糖分(甘蜜)が養分となって糸状菌が発生。糸状菌が感染した果実は色が黒くなって商品価値が無くなってしまいます。

葉に感染すると、葉が黒変して光合成ができなくなって衰弱する「すす病」になります。

アブラムシはウイルスを持っていて、それを植物に伝染させる悪役です。ウイルス病としては、モザイクウイルスが有名です。

アブラムシ被害の状況

福田(2015)によれば、植物の虫害の中ではアブラムシ被害が目立って多く、調査した企業の86%や農家の54%で報告されています。
被害を受ける植物は、木本類から野菜や果物まで多岐に及びます。

ジャガイモや大豆の害虫として有名なジャガイモヒゲナガアブラムシは、ピーマンにも被害を及ぼし、この虫が発生したピーマンの新葉は黄色くなり、果実には斑点が出て奇形化します。

この虫は発生時期が一定でないため、天敵コレマンアブラバチ効果も余り期待できません。

また、鳥取県で2018年6月に、アブラムシとハダニの大量発生により、1.5haの畑で40万株の小松菜がわずか2・3日で全滅しました。

発生後、直ちに非農薬系の薬剤で対応したものの効果はありませんでした。
この結果は、有機的な手法のみでは不十分なことを示しています。

出典元はコチラ

天敵の利用

天敵のテントウムシなどを、アブラムシが繁殖している適当な時期にハウス内に放します。

テントウムシの幼虫に人為操作を加えて、生体になっても飛べなくした幼虫を販売しています。
1頭100円くらいで、サイズの割にお高い商品です。

コレマンアブラバチなどのアブラバチの種類も有名で、この蜂をボトルに詰めたアブラムシ駆除商品もあります。
こちらは、1匹20円程度です。

バンカー法
バンカー法という天敵を利用した高効率のアブラムシ駆除法です。

圃場内に天敵を培養する小さな空間(バンカー=天敵補完銀行)を用意し、バンカーから常に元気のいい蜂を圃場内に供給して、高い効率でアブラムシ退治ができる優れた方法です。
また、アブラムシの発生予防にも使えます。

この方法の問題点は、システム構築に手間がかかることや、バンカー内で常に一定数の蜂を飼育するのが大変なことです。

忌避植物の導入

アブラムシの嫌う臭いを発散するハーブの類を栽培植物に混ぜておき、アブラムシが寄り付かなくさせる方法です。

小道具の利用

・防虫ネット
栽培区域やハウスの周りに防虫ネットを張り巡らせて、アブラムシが栽培地域内に入れないようにする方法があります。

もちろん、アブラムシ以外の虫の侵入予防にもなります。
この方法だと、空中からの侵入は防げても土壌からの侵入は防げません。

・黄色のテープ
飛んでくるアブラムシを、黄色の粘着テープ(アブラムシは黄色が好きです)に貼り付けて殺す方法です。
害虫捕獲粘着シート・ムシナックスが㈱キング園芸から販売されています。

・光の反射
アブラムシの嫌がる光の反射を利用する方法です。
アルミホイル、アルミマット、CD,DVD,BDなどの反射アイテムを使います。

・その他
近赤外線除去フィルムコーヒーカス、唐辛子、にんにくなどにアブラムシの忌避効果があると言われていますが、効果の程は不明です。

これらの小道具の使用に合わせて、手で地道に虫取りを行います。

3.1. から3.3.の方法は、アブラムシの発生予防、あるいは発生初期には効果がありますが、発生数が一定程度を超えてしまうと、効果は期待できません。

また、発生の予防には、アブラムシが好む窒素分を多く含む肥料を控えることも推奨されています。

溶液散布

・薬剤散布
農薬の一種の合成殺虫剤を散布すると効果は強力ですが、人体や環境への影響が懸念されます。

とくに、植物工場のような閉鎖空間内で使うことにはリスクがあります。

・水や牛乳の散布
アブラムシの付着している部分に、水をかけて洗い流す、あるいは牛乳を撒いて窒息させてしまうというシンプルな方法です。
牛乳を撒いた場合には、除去するのにかなりの労力がかかります。

・粘着君または片栗粉溶液の散布
粘性の高い溶液を噴霧して、アブラムシを窒息死させる方法。
一定の効果はありますが、処理に時間がかかり、処理後の清掃が大変です。

オゾンを使ったアブラムシ駆除方法のデメリット

オゾンを使った効果的なアブラムシ駆除方法は

このように、オゾンだけでアブラムシ駆除を行うことはできなくとも、他の方法と組み合わせることによって大きな効果を得ることができました。

これは、オゾンが虫体を死滅させられなくとも、少なからず打撃を与えていることによるものと推察されます。

まとめ

オゾンを使ってアブラムシの駆除は、他の方法と組み合わせることで効果をあげられることが分かりました。

ただし、オゾンを使ったアブラムシ駆除方法は未だあまり試みられていませんから、どの方法と組み合わせるのが一番効果的なのかの検討や、操作手順やオゾン濃度、処理時間等の検討も必要です。

また、オゾン水を、アブラムシが寄生した植物に直接噴霧する方法や、オゾンガスとオゾン水の併用も試してみる価値があると思われます。

参考記事
*1アブラムシ特集
*2暮らしを快適に変えるヒント
*3アブラムシの天敵
*4 アブラムシフェロモン
*5 ムシナビ
*6日本植物防疫協会
*7 実態調査
*8TREE&NORF 
*9むし工房
*10charm
*11アブラムシ対策用「バンカー法」技術マニュアル
*12フマキラー
*13キング園芸株式会社
*14農業および園芸
*15HORTI by Green Snap
*16シンジェンタ
*17粘着くん
*18東京都水道局
*19日本食品工学会
*20日集中医誌
*21無農薬オゾンミスト消毒装置
*22オゾンによる殺菌機構
*23asta muse