ニンバス(NB.1.8.1)とは?症状・感染力・日本の動向まとめ
オミクロン株から派生したニンバス(NB.1.8.1)の特徴を詳しく解説します。症状や感染の広がり、検査や予防の方法を知ることで、家庭や職場での安心につながる行動が取れます。
ニンバス(NB.1.8.1株)とは何か
オミクロン株から派生した変異株「ニンバス(NB.1.8.1)」は、2024年後半から世界各地で確認され、日本でも広がりを見せています。強い喉の痛みや高い感染力が報告されており、日常生活や社会活動に影響を及ぼす可能性があります。

オミクロン株から派生した変異株
ニンバス(NB.1.8.1)は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の系統に含まれる変異株です。2019年に確認された新型コロナウイルスはアルファ、デルタ、オミクロンなど複数の系統に分かれ、流行のたびに小さな遺伝子変化を積み重ねてきました。
ニンバスはその中でもオミクロン株から枝分かれした一系統であり、ウイルス自体の基本的な構造や感染経路は従来の新型コロナウイルスと同じです。違いは、スパイクたんぱく質に新たな変化が加わった点です。これにより、過去の感染やワクチンで得た免疫を部分的に回避する力が強まった可能性が示唆されています。
ただし、依然として「新型コロナウイルスの一種」であり、診断・治療・感染対策の基本は他のオミクロン系統と大きく変わりません。つまりニンバスは、新型コロナウイルスの進化の流れの中で現れた最新の派生株として位置づけられます。
2025 年冬から春にかけてXEC が中⼼となり、5⽉以降は JN.1 系統と近縁の XDV.1 由来の NB.1.8.1 が増えています 19)。ヒト細胞への付着に重要なスパイクタンパク質に変異がみられるため、変異のたびに免疫を回避する⼒が強まっています。なお、いずれの変異株も重症化リスクが⾼くなっているというデータはありません。
▶︎引用:⼀般社団法⼈⽇本感染症学会|2025 年度の新型コロナワクチン定期接種に関する⾒解
世界・日本での検出状況と拡大の経緯
2024年後半に初めて検出例が報告され、2025年に入って日本でも検出例が公表され、都市部から地方まで広がりを見せています。
現場調査では、密閉空間の換気不足が感染拡大の一因となるケースが多く、オフィスや飲食店での空気循環の改善が重要視されています。海外でも同様に、寒冷地や湿度が低い地域で増加傾向がみられ、空気環境の管理が対策のポイントとなっています。
国立健康危機管理研究機構によりますと、8月20日時点で国内で検出されている新型コロナの変異ウイルスのうち最も多いのはオミクロン株の一種「NB.1.8.1(いちはちいち)」でおよそ28%となっていて、同じ系統のものを含めると全体の81%を占めています。
▶︎引用:NHK|変異ウイルス「NB.1.8.1」“感染力やや強い”
他の変異株との違い
ニンバスは、喉の強い痛みを訴える人が多い点で特徴的です。従来のオミクロン株より上気道への感染が強い可能性が指摘されており、検査現場でも咽頭部の炎症が目立つ報告が増えています。
従来株より感染しやすい可能性が指摘されていることから、日常生活では換気をこまめに行い、不織布マスクを顔に密着させて着けるなど、基本的な対策を丁寧に続けることが感染予防と安心につながります。
主な症状と特徴
ニンバス(NB.1.8.1株)はオミクロン系統に属する変異株で、報告例から呼吸器への影響が比較的強い可能性が指摘されています。ここでは現時点で国内外の公的機関や研究結果などから明らかになっている症状と経過をまとめます。

高頻度で見られる症状(発熱・咳・鼻水など)
主に報告されているのは38度前後の発熱、乾いた咳、鼻水や鼻づまりです。倦怠感、頭痛、筋肉痛を伴うこともあり、嗅覚や味覚の低下を訴える例もあります。これらは従来のオミクロン株とおおむね共通して見られる症状です。
「カミソリを飲み込んだような痛み」と呼ばれる強い喉の痛み
複数の自治体や医療機関の報告では、ニンバス感染者の一部で非常に強い咽頭痛が見られるとされています。水分を飲む際に強くしみる、耳に響くような痛みを感じる例があり、「カミソリ喉」と表現されることもあります。ただし、この痛みが必ず起こるわけではなく、個人差があります。
潜伏期間と発症から回復まで
潜伏期間はおおむね2〜4日と推定され、感染から発症までが比較的短い点が特徴です。初期は軽い喉の違和感や鼻水程度から始まり、2日目以降に発熱や強い喉の痛みが現れる例が多く報告されています。多くは1週間前後で回復しますが、咳や倦怠感がしばらく続く場合もあります。
※本内容は国内外の公的機関や学術報告に基づく一般的な知見であり、症状や経過には個人差があります。
感染力と重症化リスク
ニンバス(NB.1.8.1株)はオミクロン系統に属する変異株で、複数の国際的な解析から従来株より感染力がやや高い可能性が指摘されています。ここでは現時点で公表されている研究や公的機関の報告に基づき、感染拡大の速さ、免疫回避、重症化リスクをまとめます。

感染拡大のスピードと推定再生産数
世界保健機関(WHO)や欧州疾病予防管理センター(ECDC)のデータでは、ニンバスの実効再生産数(R値)は地域によって1.3〜1.6前後と推定されています。これは従来のオミクロン株と同等かやや高い値であり、人口密度が高く換気が不十分な環境では短時間で感染が広がる可能性があります。
免疫回避の可能性と再感染事例
スパイクたんぱく質に複数の変異が確認されており、過去の感染やワクチン接種で得た抗体を一部回避する可能性が報告されています。実際に、ワクチン接種済みや以前に感染した人でも再感染する事例が各国の公衆衛生機関から報告されています。ただし、免疫回避の程度には地域差や個人差があるため、今後の追加研究の結果を注視する必要があります。
高リスク群(高齢者・基礎疾患あり)への注意点
高齢者、心疾患や糖尿病などの基礎疾患を持つ人は、他のオミクロン系統と同様に重症化のリスクが高いとされています。発熱や強い喉の痛みが長引く場合は脱水や呼吸困難につながるおそれがあるため、早めの医療機関受診が推奨されています。
厚生労働省や国立感染症研究所も、重症化リスクのある人はワクチン追加接種と基本的な感染対策を継続するよう呼びかけています。
検査と診断
ニンバス(NB.1.8.1株)は感染が広がるスピードが速いとされ、早期に正確な検査を受けることが重要です。代表的な検査方法と注意点を以下にまとめます。

PCR検査・抗原検査での検出精度
PCR検査はウイルスの遺伝子を直接確認する方法で、発症初期から高い精度を保つと報告されています。抗原検査は結果が短時間で得られる利点がありますが、ウイルス量が少ない発症直後や回復期には陰性となる場合があります。症状が出てから一定時間が経過してから実施すると精度が高まりやすいとされています。
自宅検査キットの利用と注意点
市販の抗原検査キットは発熱や喉の痛みを感じた際に素早く確認する手段として有効です。ただし、採取方法を誤ると結果が不正確になることがあります。説明書をよく読み、規定どおりに鼻や喉の奥から検体を採取することが大切です。陰性であっても症状が続く場合は、改めて医療機関でのPCR検査を検討する必要があります。
医療機関で受診するタイミング
強い喉の痛み、高熱、息苦しさがある場合は早めの受診が推奨されます。特に高齢者や心疾患・糖尿病などの基礎疾患を持つ人は、軽症でも急変する可能性があるため注意が必要です。症状が出た際は外出を控え、発熱外来や地域の医療機関に事前連絡をしてから受診することが望ましいとされています。迅速な診断と対応は、自身だけでなく家族や周囲を守るためにも重要です。
治療と対処法
ニンバス(NB.1.8.1株)は強い喉の痛みや高熱を伴う例があり、早期の医療受診と自宅での適切なケアが重要とされています。以下は国内外の公的情報や医療機関で示されている基本的な対応です。

医療機関で使用される主な薬の概要
日本で新型コロナウイルス感染症に使用される主な薬には、抗ウイルス薬のラゲブリオ(モルヌピラビル)、パキロビッドパック(ニルマトレルビル/リトナビル)、レムデシビルなどがあります。いずれも発症から早期に投与することで重症化を防ぐ効果が期待されており、投与には医師の診察と処方が必要です。基礎疾患や他の薬との相互作用に注意が求められます。
自宅療養でできるケア(喉の痛み・発熱対策)
自宅療養中は水分補給と安静が基本です。強い喉の痛みには常温の水やぬるま湯でのうがい、室内の加湿(湿度40〜60%程度)が有効とされています。
解熱鎮痛薬としてはアセトアミノフェンが一般的に使われ、添付文書に沿った用法・用量を守ることが大切です。食欲がない場合はゼリーやスープなど消化しやすい食品を選び、栄養と水分を確保します。
重症化が疑われる際の対応
息苦しさ、酸素飽和度の低下、意識の混濁などが見られる場合は、速やかに医療機関へ連絡してください。高齢者や心疾患・糖尿病など基礎疾患を持つ人は、軽症でも急激に悪化することがあります。症状が出た際は外出を控え、発熱外来や地域の医療機関に事前連絡をしてから受診することが推奨されています。
※これらは厚生労働省や国立感染症研究所などが示す基本的な知見であり、最新情報は自治体や医療機関の公式発表を確認することが重要です。
ワクチンと予防策
ニンバス(NB.1.8.1株)は感染力が高く、既存の免疫を一部回避する可能性が報告されています。そのため、ワクチン接種と日常の基本的な予防行動を継続することが重要です。以下に公的機関や研究報告に基づいた最新の情報をまとめます。

既存ワクチンの効果と追加接種の状況
国内外の研究では、オミクロン対応ワクチンがニンバスに対しても重症化を防ぐ効果を示すことが確認されています。感染を完全に防ぐものではありませんが、入院や重症化のリスクを下げる効果は維持されていると報告されています。
厚生労働省は高齢者や基礎疾患を持つ人に対し、季節ごとの追加接種を推奨しています。接種のタイミングや対象は自治体の最新案内に従うことが勧められます。
日常生活での予防(マスク・換気・手洗い)
基本の感染対策はこれまでと変わりません。人が集まる場所では不織布マスクを隙間なく着用し、鼻と口を確実に覆います。室内では定期的な換気を行い、二酸化炭素濃度を目安に空気の入れ替えを意識することが有効とされています。外出先から戻った際は石けんと流水で20秒以上の手洗いを行い、接触感染を防ぐことが重要です。
家族や同居人への感染拡大を防ぐ方法
家庭内感染を防ぐには、発症者を可能な限り別室に隔離し、食器やタオルを共有しないことが推奨されます。共有スペースの換気を徹底し、ドアノブやテーブルなどの共用部分をアルコールで定期的に拭き取ることも効果的です。
室内の湿度をおおむね40〜60%に保つことは、ウイルスの浮遊時間を減らす助けになると複数の研究で報告されています。これらの対策を日常的に行うことで、家庭内での感染拡大を抑える効果が期待できます。

よくある質問

人類が唯一根絶した感染症は?
人類が科学的に根絶できた感染症は天然痘です。世界保健機関(WHO)の主導で20世紀半ばから大規模なワクチン接種が進められ、1977年に最後の自然感染例が報告されました。1980年には公式に根絶宣言が出され、現在も天然痘ウイルスは厳重に管理された研究施設にのみ保存されています。
コロナの人と同じ空間に何分いたら感染しますか?
感染までの時間は一概には言えず、空間の広さや換気状況、マスク着用の有無など環境要因が大きく影響します。閉鎖空間で換気が悪く、近距離で会話する場合は数分程度でも感染する可能性があります。逆に換気が良く距離を保っていれば長時間同席してもリスクは低くなります。
マスク越しでも感染する?
適切に装着した不織布マスクは飛沫やエアロゾルを大きく減らしますが、100%防ぐものではありません。特に隙間があると漏れた微粒子が吸い込まれる可能性があります。屋内で長時間過ごす際は換気と併用し、鼻と口を確実に覆うことで感染リスクを大幅に下げられます。
コロナ感染後何日経てば他人にうつす可能性が低くなりますか?
一般的には発症から5日ほど経過し、解熱して24時間以上症状が安定していれば他人へ感染させる可能性は大きく下がるとされています。ただし個人差があるため、厚生労働省は発症から7日間の自宅療養を推奨しています。体調や医師の指示に従い、無理な外出を控えることが重要です。
世界一やばいウイルスは?
致死率の高さで知られるのはエボラウイルスです。流行地域や医療体制によりますが致死率は25〜90%と報告されています。空気感染はしないものの体液接触で感染し、重度の出血や多臓器不全を引き起こします。封じ込めが遅れると地域社会に大きな影響を与える危険なウイルスです。
コロナは何分一緒にいたらうつりますか?
具体的な分数は条件に左右されます。例えば換気が悪く距離が近い場合、10分程度の会話でも感染した事例があります。逆に広い屋外や良好な換気環境では1時間以上同席しても感染しないこともあります。空間の空気循環とマスクの有無が決定的な要素です。
オミクロン株の症状は?
オミクロン株は従来株より上気道に強く影響します。発熱、喉の痛み、乾いた咳、鼻水、倦怠感が典型的で、嗅覚や味覚の障害は少なめです。潜伏期間は2〜4日と短く、感染力が高いのが特徴です。多くは軽症で済みますが、高齢者や持病がある人では重症化することもあります。
新たな変異株「ニンバス」の症状は?
ニンバスは強い喉の痛みが特徴で、「カミソリを飲み込んだよう」と表現されます。発熱、咳、鼻水、倦怠感も多く報告されています。潜伏期間は2〜4日程度で、症状は1週間前後続くことがあります。特に乾燥した室内では痛みが増しやすいため、加湿や水分補給が回復を助けます。
コロナになったらやばい持病は?
重症化リスクが高いとされる持病には、心疾患、糖尿病、慢性呼吸器疾患、腎疾患、免疫不全などがあります。これらを持つ人は肺炎や呼吸不全に進行しやすく、入院や酸素投与が必要になる場合があります。持病の管理を徹底し、早期の医療相談とワクチン接種が強く推奨されます。
ニンバス(NB.1.8.1株)への備えとしては、ワクチン接種や基本的な感染対策に加え、室内の空気環境を整えることが欠かせません。換気や加湿と併せて、適切に管理されたオゾン発生器を活用すれば、空気中のウイルスや細菌を減らし、清潔な環境を保つ一助となります。厚生労働省が示す濃度基準を守り、人が不在の時間帯に使用するなど正しい手順を踏むことで、安全性を確保しながら空間の衛生度を高められます。日常生活の中で「空気を守る習慣」を取り入れ、家族や職場の安心につなげていきましょう。