オゾンコラム

アデノウイルス対策にオゾンを使う方法|施設での場所別の使い分けと確認ポイント

アデノウイルス対策にオゾンを使う方法|施設での場所別の使い分けと確認ポイント

学校や保育施設、介護施設、店舗など、人が集まる場所ではアデノウイルスへの対策が課題になります。この記事では、施設の衛生管理を担当する方に向けて、アデノウイルス対策にオゾンを使うときの考え方を整理します。オゾンガスとオゾン水で対応できる範囲が異なる点、場所や対象ごとの使い方、機器の分類と有人・無人の前提、既存の衛生対策と組み合わせる考え方、導入前に確認したいポイントまでをまとめました。オゾンは万能な方法ではなく、条件に合う場面で使い分けることが前提になります。

アデノウイルスの特徴と、施設で対策が必要になる理由

子どもが集まる教室の様子

まず、アデノウイルスがどのようなウイルスで、なぜ施設で対策が求められるのかを整理します。ここを押さえると、後半の使い方の判断がしやすくなります。

感染経路と、施設で感染が広がりやすい背景

アデノウイルスは、呼吸器や眼、腸管などにさまざまな症状を引き起こすウイルスです。多くの型があり、ウイルスに対する免疫がつきにくいとされています。主な感染経路は、感染した人からの飛沫、便、そして感染者との直接接触です。

施設で感染が広がりやすいのは、多くの人が同じ空間で過ごし、同じ物に触れる機会が多いからです。教室、トイレ、共用の備品などは、接触による広がりの経路になりやすい場所です。

学校・園で対策が求められる位置づけ

アデノウイルスが関係する咽頭結膜熱や流行性角結膜炎は、学校保健安全法で学校において予防すべき感染症として位置づけられています。発症すると出席停止の対象になる場合があり、施設としては感染拡大を防ぐ衛生管理が求められます。

また、呼吸器感染症や胃腸炎は乳幼児で見られることが多いとされています。子どもが集まる施設では、日常の衛生管理を整えておくことが、現場の負担を抑えることにもつながります。

アデノウイルスの消毒がむずかしいとされる理由

アデノウイルスの消毒には、いくつかの方法が知られています。一般的な感染対策の情報では、次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素系消毒、消毒用エタノール、56℃で30分の加熱などが挙げられています。

ただし、それぞれに扱い方の難しさや向き不向きがあります。塩素系消毒は、皮膚や粘膜への刺激、金属の腐食、希釈や管理の手間といった面があります。消毒用エタノールは有効とされる一方で、対象によっては一定の時間が必要になる場合もあります。加熱は対象が限られます。

つまり、どれか一つが万能というわけではなく、場面や対象によって使いどころが分かれます。だからこそ、施設では複数の手段を組み合わせて考える視点が役立ちます。オゾンも、その選択肢の一つとして位置づけられます。

オゾンがアデノウイルス対策で担える役割

オゾンによる衛生対策のイメージ

ここでは、オゾンがどのように作用すると考えられているか、そしてオゾンガスとオゾン水で役割が異なる点を整理します。

オゾンの作用の考え方

オゾンは、酸素原子3つで構成される気体で、強い酸化作用を持ちます。この酸化作用によって、菌や有機物、においの成分などに作用するとされています。ウイルスに対しては、「不活化」や「低減」という考え方で整理します。菌の数を減らす「除菌」とは対象が異なるため、ここでは分けて扱います。

オゾンは、時間が経つと酸素に戻る性質があります。そのため、適切に扱えば使用後に残りにくいとされています。一方で、作用の程度は、濃度、接触時間、対象、環境などの条件によって変わります。条件を無視して効果を一律に言い切ることはできないため、使う場面に合わせて考えることが前提になります。

「オゾンガス」と「オゾン水」では対応できる範囲が異なる

オゾンの使い方には、大きく分けて気体として使う方法と、水に溶かして使う方法があります。

オゾンガスは、気体のまま空間や空気の処理に使います。高濃度では人体に影響があるため、後述のとおり無人環境を前提とする機器で扱います。

オゾン水は、オゾンを水に溶け込ませたもので、手指や物の表面など、水で扱える対象に使います。気体の高濃度を吸い込むという前提とは異なる扱いになります。生成後は時間とともに酸素に戻るため、使う直前に作る考え方が基本です。

どちらを使うかは、「どこに・何に使いたいか」で決まります。空間全体なら気体、手指や物の表面なら水、という整理が出発点になります。

施設の場所・対象別に見たオゾンの使い方

オゾン水生成器(オゾンバスター)の使用イメージ
オゾン水生成器の例(オゾンバスター

ここからは、施設の中でオゾンをどこに使えるかを、対象別に整理します。手指、タオルや備品、よく触れる箇所、空間全体の順に見ていきます。

手指の洗浄後にオゾン水ですすぐ

オゾン水で手指をすすぐ手洗いの様子

石けんで手を洗ったあとに、オゾン水ですすぐ使い方があります。アデノウイルスは直接接触による広がりが多いため、食事の前や処置のあとなど、手指のケアを行う場面と相性があります。

オゾン水は、オゾン水生成器で作ります。確認しておきたいのは、使う直前に生成すること、そして生成できる濃度や水量の目安です。これらは製品仕様で確認します。なお、オゾン水でのすすぎは、石けんによる手洗いの基本を置き換えるものではなく、洗浄後の補助として位置づけて考えるのが現実的です。

タオルや備品をオゾン水で処理する

タオルをオゾン水に浸け置きする様子

共用のタオルや、処置のあとに使ったタオルなどは、ウイルスが残りやすい対象になりやすいものです。あらかじめ容器にオゾン水を入れておき、その中にタオルを一定時間浸ける方法があります。

施設では、共用タオルそのものをできるだけ減らす運用とあわせると、対策として考えやすくなります。素材によってオゾン水との相性が異なる場合があるため、対象の素材を確認したうえで取り入れます。

ドアノブ・手すり・机などの拭き取りにオゾン水を使う

オゾン水でドアノブなどを拭き取る様子

ドアノブ、手すり、机、椅子など、多くの人が手で触れる箇所も、接触による広がりの経路になりやすい場所です。これらには、オゾン水を含ませた布で拭く方法や、霧吹きで吹きかけて拭き取る方法があります。

ここでも、対象の素材や設備との相性を確認しておくことが大切です。素材によっては変色や劣化が起きる可能性があるため、目立たない場所で試すなどの確認が役立ちます。日常の清掃手順の中に組み込むと、無理なく続けやすくなります。

教室など空間全体を業務用オゾン発生器で処理する

教室で業務用オゾン発生器オゾンクラスター1400を使用する様子
学校施設などで使われる業務用オゾン発生器の例(オゾンクラスター1400

教室のように空間全体を対象にしたい場合は、気体のオゾンを使います。これは、無人環境での使用を前提とする業務用オゾン発生器の役割です。高濃度のオゾンを扱うため、人やペットがいる環境では使用できません。

基本的な手順は次のとおりです。

  1. 対象の部屋を無人にして、オゾン発生器を設置する
  2. 外に気体が逃げないように閉め切り、一定時間オゾンを行き渡らせる
  3. 一定時間そのまま置く
  4. 終了後は部屋を換気し、残っているオゾンを外に逃がす

学校であれば放課後など、人がいない時間帯に決まったタイミングで行う運用が考えやすくなります。安全管理の要点は、人が吸い込まないように無人を徹底すること、そして使用後の換気を行うことです。

オゾン機器は一括りにしない|家庭用・業務用・兼用と有人・無人の前提

オゾン機器は、すべて同じ前提で使えるわけではありません。施設で使い分けるうえで、機器の分類と有人・無人の前提を整理しておきます。

空間処理は「無人環境前提の業務用機器」の話

教室などの空間全体を高濃度のオゾンで処理する話は、無人環境を前提とする業務用オゾン発生器(オゾンクラスター1400など)の役割です。人やペットがいる環境では使えません。

一方で、オゾン機器には家庭用や、業務用・家庭用兼用のものもあり、すべてが無人前提というわけではありません。施設の空間処理について考えるときは、「無人環境前提の業務用機器を想定している」と区別して理解しておくと、安全管理の判断がぶれにくくなります。

オゾン水生成器は気体オゾンとは前提が異なる

手指やタオル、拭き取りで使うオゾン水は、オゾン水生成器(オゾンバスターなど)で作ります。これは気体のオゾンとは前提が異なり、水の中での利用です。気体を高濃度で吸い込むという話とは別物として扱います。

生成できる濃度や水量の目安は製品によって異なるため、製品仕様で確認します。オゾン水は時間とともに酸素に戻るため、使う直前に作ることが基本になります。

既存の衛生対策と組み合わせて考える

オゾンは、これまでの衛生対策を置き換えるものではありません。手洗いと石けん、清掃、換気、共用品を減らす運用といった基本を土台にしたうえで、オゾンを補助的に組み合わせる考え方が現実的です。

「オゾンを使えば衛生管理はこれで十分」とは考えないことが大切です。施設では、誰が・いつ・どの手順で使うかをルール化し、スタッフへ周知しておくことが、安定した運用につながります。

施設でオゾンを使ったアデノウイルス対策を検討するときの確認ポイント

最後に、施設でオゾンの導入や運用を検討するときに、確認しておきたい観点を整理します。自施設の状況に当てはめながら見直してみてください。

  • 使う場面が有人環境か無人環境か(空間全体の処理は、無人環境前提の業務用機器を想定する)
  • 使用時間と、使用後の換気手順を決めているか
  • 対象とする素材や設備との相性(変色や劣化の可能性)を確認したか
  • オゾン水は使う直前に生成し、濃度の目安を確認しているか
  • 誰が・いつ・どの手順で使うかをルール化し、スタッフへ周知しているか
  • 感染が発生したときの一時的な対応と、通常運用とを切り分けて考えているか
  • 製品仕様、導入実績、サポート体制を確認したか

これらは、製品ごとに前提が異なります。製品仕様やメーカーの説明を確認したうえで、自施設の運用に合うかを見極めることが大切です。オゾンは万能な方法ではなく、基本の衛生対策を土台に、場面に応じて使い分ける考え方が、無理のない運用につながります。

よくある質問

アデノウイルス対策にオゾンは使えますか?

オゾンは酸化作用により対象に作用するとされ、施設の衛生対策の選択肢の一つになります。ただし作用の程度は濃度や接触時間、対象、環境などの条件で変わり、効果を一律に言い切ることはできません。手洗いや清掃、換気などの基本対策と組み合わせて考えることが前提です。

オゾンガスとオゾン水はどう使い分けますか?

空間の処理には気体のオゾン、手指や物の表面にはオゾン水、と使い分けるのが基本です。気体は教室など空間全体に向きますが、高濃度のため無人環境が前提です。オゾン水は水で扱える対象に使い、手指のすすぎや備品、拭き取りに向きます。

教室など空間全体の処理は、人がいても使えますか?

空間全体の処理は高濃度の気体オゾンを使うため、無人環境が前提になります。これは無人環境前提の業務用オゾン発生器(オゾンクラスター1400など)の役割で、人やペットがいる環境では使えません。放課後など無人の時間に行い、使用後は換気を行います。

どのオゾン機器を選べばよいですか?

用途で分かれます。空間処理は業務用、手指や備品はオゾン水生成器が目安です。オゾン機器は家庭用・業務用・兼用があり前提条件が異なります。教室の空間処理は無人環境前提の業務用オゾン発生器、手指や拭き取りはオゾン水生成器が候補です。仕様で確認します。

オゾン水はどのように用意して使いますか?

オゾン水はオゾン水生成器(オゾンバスターなど)で作り、時間とともに酸素へ戻るため使う直前に用意します。手洗い後のすすぎ、タオルの浸け置き、ドアノブなどの拭き取りに使えます。濃度や水量の目安は製品で異なるため、対象素材との相性とあわせて仕様で確認します。