アデノウイルスの予防・対策について|アデノウイルスの特徴とオゾンを用いた除菌方法
アデノウイルスに対して、オゾンを用いた除菌は有効です。
この記事では、アデノウイルス対策に関心のある一般の人々や施設管理者向けに、アデノウイルスの特徴や感染経路を説明し、オゾンを用いた効果的な除菌方法を紹介しています。
手指の除菌、タオルやドアノブの除菌、室内空気の除菌にオゾンを利用すれば、安全でより効果的な対策ができます。
アデノウイルス対策に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
アデノウイルスとは?特徴と感染経路について
アデノウイルスは、感染すると呼吸器や眼、腸管などに様々な症状を引き起こすウイルスです。
51もの型が存在し、そのためにウイルスに対する免疫がつきにくいのが特徴です。
(丸石製薬株式会社)「「アデノウイルス」ってどんな感染症?」
アデノウイルスの体内潜伏期間は5日から7日で、扁桃腺やリンパ節の中で増殖します。
型によって症状が異なり、主に呼吸器感染症、咽頭結膜熱、流行性角結膜炎、出血性膀胱炎、胃腸炎などを引き起こす可能性があります。
呼吸器感染症と胃腸炎に関しては、乳幼児が発症することが多く、また呼吸器感染症は重症に至ることもあるので、注意が必要なウイルスです。
また、高熱と微熱を繰り返す咽頭結膜熱や流行性角結膜炎は学校保健安全法で学校感染症として規定されており、予防すべき感染症として対策が求められています(国立感染症研究所「アデノウイルスの種類と病気」)。
感染経路は、感染者からの飛沫や便、および感染者との直接接触により感染するのが基本です。
場所で言えば、多くの人が集まって利用する場所(電車、商業施設、学校、プールなど)や、公共のトイレなどでは感染しないように注意すべきでしょう。
人が集まる場所では、アデノウイルスに感染しないように対策が必要!
飛沫や直接接触により感染が広がっていくので、多くの人が集まる場所では感染拡大しやすいです。
特に小学校や幼稚園など、子供のいる場所で感染が拡大すると、発症して症状が重くなったり、学校感染症により出席停止になったりするので、アデノウイルスの感染を予防するための対策が必要です。
大和市立大和中学校 様
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予防のためには、以下のような基本的な衛生管理対策を行うことが需要です。
[アデノウイルス予防対策]
・帰宅時やトイレ後、食事前などに手指をしっかりと石鹸で洗浄し、アルコール消毒を行う。
・洗面所のタオルなどの物品を洗浄除菌する。(タオルはできるだけ共用で使わないようにする)
・ドアノブや手すり、イス、机など、人が良く触れる箇所を清掃除菌する。
・トイレ掃除の際にアルコール等で除菌を行う。
アデノウイルスの消毒には次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素消毒が有効ですが、一般人にとっては使用法が難しいうえに、皮膚・粘膜に対して刺激があり、金属等に対しては腐食作用があります。
56℃で30分加熱を行うことによる消毒も有効です。(IASR「アデノウイルス感染対策」)
また、アルコール消毒に関しては消毒用エタノールが有効だとされていますが、消毒に時間がかかることもあるようです。
オゾンを利用すれば、より効果的な対策ができる!
上記の対策に加えて、より効果的に除菌が行えるものがあります。
それは、オゾンです。
オゾンとは、酸素原子3つから成る化学物質O₃のことです。
オゾンであれば、気体を放出したり水に溶け込ませて使うことで強力に除菌を行うことが可能です。
どうしてオゾン?
オゾンは、強力な酸化力を持っており、その酸化力を利用してアデノウイルスなどのウイルスや細菌・カビを根本から分解して除去することができます。
また、オゾンは使用後に残留しないので、適切に利用すれば極めて安全な化学物質となっています。
オゾンがなぜ強力な酸化力を持っているかというと、それはオゾンが結合のエネルギーが弱く不安定な状態のため、容易に分解するからです。
オゾンは分解すると酸素原子(O)と酸素分子(O₂)を生成します。
この時に生まれる酸素原子は強い反応力を持っており、他の物質と結合しようとするので、これがオゾンの強い酸化力の源となっているわけです。
オゾンに酸化されるウイルスや細菌、カビ、有害物質等は殺滅されるか他の無害な物質へと変わってくれます。
また、オゾンは最終的には分解して全て酸素になるため、残留の心配もありません。
家庭や業務で行う一般的な除菌を行うのに極めて便利な除菌方法となっております。
実際にオゾンをどのように使えばいいの?
一般的な除菌用途であれば、市販のオゾン発生器を利用すればオゾンを用いた除菌を行うことが可能となります。
オゾンを利用した除菌方法には、高濃度の気体オゾンを放出して空気全体を除菌する方法と、オゾンを溶け込ませたオゾン水を除菌液として利用する方法などがあります。
次からは実際にオゾン発生器でアデノウイルス対策を行う方法をご紹介しましょう。
オゾン発生器でアデノウイルス対策を行う方法をご紹介
アデノウイルス対策に関して、オゾン発生器を使えば以下のような対策が可能となります。
・手洗い時、オゾン水で手を洗い流して除菌を行う。
・洗面所等で使用するタオルをオゾン水に付け込んで除菌する。
・ドアノブ手すり机椅子等をオゾンを浸した布で拭いて除菌する。
・教室など、室内の空気を高濃度オゾンで除菌する。
オゾン水で手指を除菌する
通常通り石鹸で手を洗った後、オゾン水で手を洗い流すことで、汚れの除去と共にウイルスなどの除菌を行うことができます。
アデノウイルスは直接接触による感染が多く、特に食事前などは手指の除菌を行うことが重要です。
オゾン水とは、水道水などの普通の水にオゾンを溶け込ませたもので、市販のオゾン水生成器を使えば、水の中で機器本体を稼働させるなどの簡単な方法で生成することができます。
画像:最大5ppmの高濃度オゾン水を生成できる オゾンバスター
タオル等をオゾン水に付け込んで除菌する
あらかじめ洗面器などの容器にオゾン水を入れておいて、その中にタオルを一定時間付け込みます。
共用で使用しているタオルや汚物処理の際に使用したタオル等は、ウイルスの温床となりやすいのですが、オゾン水に付け込むことで強力に除菌を行うことが可能です。
ドアノブ・手すり・机・椅子等をオゾンを浸した布で拭いて除菌する
人が多く手などで触れるところも、汚れやウイルスが付着しやすく、感染の元となります。
こういった場所には、オゾン水を浸した布等で拭き掃除を行うか、オゾン水を霧吹き等で吹きかけることで除菌を行うことができます。
教室など、室内の空気を高濃度オゾンで除菌する
画像:学校施設で使用されるオゾンクラスター1400
教室など室内の空気全体の除菌は定期的に決まった時間に行うとよいでしょう。
空気の除菌は、無人環境用の高濃度オゾン発生器で行うことができます。
高濃度オゾン発生器は、タイプにもよりますが、空気を材料として人工的にオゾンを発生させ、それらを気体として空気中に放出します。
高濃度なので人がいる空間では使えませんが、その分強力に除菌を行うことができます。
除菌方法は以下の通りです。
1.除菌したい部屋を無人にして、オゾン発生器を設置して室内にオゾンを放出できる状態にする。
2.外に気体オゾンが逃げないように部屋を閉め切って、一定時間オゾンを放出する。
3.空気全体にオゾンが行き渡ったら一定時間待機し、除菌効果が出るのを待つ。
4.待機が終了したら、部屋を換気してまだ分解していない残存オゾンを外に逃がす。
高濃度オゾンは人体に有害となるので、人が吸引しないように注意して使用するのがポイントです。
教室やトイレなど、ウイルスの存在が気になる所に使える除菌方法です。
以上、オゾンでアデノウイルス対策を行う方法をご紹介してきました。
オゾン発生器では気体オゾンとオゾン水を用いて汎用的に様々な場面で除菌を行うことが可能なので、とてもお勧めの除菌方法です。