オゾンガス濃度は時間でどう推移する?業務用オゾン発生器で上昇と減少を実測
実験の様子を動画で確認
この記事で紹介している検証内容は、自社YouTubeチャンネル「オゾンマート」でも動画として公開しています。実際の機器の動作、測定値の推移、検証プロセスをそのままご覧いただけます。
YouTubeで動画を開くオゾン発生器を使うと、室内のオゾンガス濃度は時間とともに変化します。「使用後、どれくらいで人が入れる濃度まで下がるのか」は、運用を考えるうえで気になるところです。この記事では、業務用オゾン発生器「オゾンクラスター1400」を使い、締め切った室内でオゾンガス濃度がどう上昇し、どのように減少していくかを実測した検証結果を紹介します。あわせて、なぜ濃度が下がるのか、自分の環境に当てはめるときに何を確認すればよいかも整理します。
オゾンクラスター1400で室内オゾンガス濃度の推移を測定した検証
オゾンガス濃度がどう動くかは、文章で説明するよりも実測で確かめたほうが分かりやすい部分です。まず、今回の検証で何を調べたのか、どんな条件で行ったのかを整理します。
この検証で確かめること
オゾン水は時間が経つと濃度が下がり、おおよそ21分ごとに半減するとされています。では、気体であるオゾンガスの濃度は、空間の中でどのように上がり、どのように下がっていくのでしょうか。この検証では、実際に濃度測定器を使いながら、噴霧中の上昇と、噴霧停止後の減少を観察しました。
検証の条件と使用機器
検証は、広さ17㎡、天井高2.5mの空間で行いました。容積はおよそ42.5㎥です。この空間に、業務用オゾン発生器「オゾンクラスター1400」で30分間オゾンを噴霧しました。オゾンクラスター1400のオゾン生成量は、1時間あたり1400mgです。濃度は専用の測定器で計測しています。
なお、オゾンクラスター1400は、人やペットがいない無人環境での使用を前提とした業務用機器です。この検証も、人がいない状態で行っています。
前提となる有人環境の基準(0.1ppm)と濃度の計算式
日本では、人がいる環境でオゾンを扱う際、対象空間のオゾンガス濃度を0.1ppm以下に保つことが一つの基準とされています。この検証でも、噴霧停止後にどれくらいで0.1ppmまで下がるかを、一つの目安として観察しました。
また、空間のおおよそのオゾンガス濃度は、機器の出力と空間の容積が分かれば、次の式で見当をつけられます。
オゾンガス濃度の計算式(1時間噴霧したときの目安)
オゾン発生量(mg/hr)÷ 容積(㎥)÷ 2.14 = 算出濃度
この式で算出された数値の、さらに半分程度が、おおよその実際の濃度になるとされています。検証では、この計算値と実測値がどの程度一致するかも確認しました。
検証結果①|噴霧中のオゾンガス濃度の上昇
30分間の噴霧中、オゾンガス濃度は次のように上昇しました。
- 噴霧開始から15分後:1.8ppm
- 噴霧開始から30分後:3.4ppm
ここで、先ほどの計算式に当てはめてみます。
算出の流れ
1400 ÷ 42.5 ÷ 2.14 = 約15.39ppm(1時間噴霧時)
30分運転のため ÷2 = 約7.69ppm
実際はさらに半分程度 ÷2 = 約3.8ppm
実測値の3.4ppmと、算出値の約3.8ppmは、おおよそ近い数値でした。出力と容積から計算した値が、実測のおおよその目安として使えることが確認できました。
検証結果②|噴霧停止後のオゾンガス濃度の減少
30分の噴霧を停止した後、オゾンガス濃度がどのように下がるかを15分ごとに測定しました。
| 経過時間(噴霧停止後) | オゾンガス濃度 |
|---|---|
| 15分後 | 2.8ppm |
| 30分後 | 2.3ppm |
| 45分後 | 1.9ppm |
| 1時間後 | 1.5ppm |
| 1時間15分後 | 1.3ppm |
| 1時間30分後 | 1.1ppm |
| 1時間45分後 | 0.67ppm |
| 2時間後 | 0.45ppm |
| 2時間15分後 | 0.32ppm |
| 2時間30分後 | 0.17ppm |
| 2時間45分後 | 0.05ppm |
| 3時間後 | 0.03ppm |
噴霧停止後、濃度は緩やかに減少していきました。有人環境の目安である0.1ppmまで下がったのは、停止からおよそ2時間40分後です。その後、停止からおよそ3時間10分後に、オゾン濃度はほぼ0になりました。この結果は、換気をしていない締め切った部屋での減少スピードです。
検証結果からわかったこと|上昇は急・減少は緩やか
今回の検証から、オゾンガス濃度は噴霧によって一気に上昇し、噴霧停止後は緩やかに減少していくことが読み取れます。上がるときは短時間で、下がるときには時間がかかる、という非対称な動きです。
減少のペースを見ると、締め切った部屋では、オゾンガス濃度はおおよそ1時間ごとに半減していくと読み取れました。冒頭で触れたとおり、オゾン水は約21分ごとに半減するとされています。同じオゾンでも、水に溶けた状態と気体の状態では、濃度が下がるスピードが異なると考えられます。
ただし、この「約1時間ごとに半減」は、今回の空間と条件での結果です。空間の広さや状態が変われば、推移も変わる点には注意が必要です。
噴霧後にオゾンガス濃度が下がっていく理由
噴霧を止めた後にオゾンガス濃度が下がるのは、オゾンそのものの性質によるものと考えられます。
オゾン(O3)は、酸素分子(O2)に比べて不安定な気体です。時間が経つと、自然に酸素へと戻っていく性質があります。締め切った部屋で濃度が緩やかに下がっていくのは、この自然な分解が主な要因と考えられます。このほか、空間内の壁や物への接触、空気中の成分との反応によっても、オゾンは少しずつ消費されていきます。
濃度を早く下げたい場合は、換気が有効です。窓を開けたり換気設備を動かしたりして外気と入れ替えると、室内のオゾンガスが排出され、濃度の低下を速めることができます。今回のように自然減衰だけに任せた場合は0.1ppmまで約2時間40分かかりましたが、換気を併用すれば、より短い時間で下げやすくなります。
この検証結果を自分の環境に当てはめるときの前提
今回のデータは「17㎡・容積42.5㎥の空間で、オゾンクラスター1400を30分運転した場合」の結果です。自分の環境で考えるときは、いくつかの前提を踏まえる必要があります。
空間の容積が変われば濃度も推移も変わる
オゾンガス濃度は、同じ機器でも空間の容積によって変わります。先ほどの計算式(オゾン発生量 ÷ 容積 ÷ 2.14)からも分かるように、容積が大きいほど濃度は低く、小さいほど高くなりやすくなります。広い空間では到達する濃度が下がり、狭い空間では上がりやすい、という関係です。自分の対象空間の容積を把握しておくと、おおよその見当をつけやすくなります。
使用機器が有人環境前提か無人環境前提かを確認する
今回使用したオゾンクラスター1400は、無人環境での使用を前提とした業務用オゾン発生器です。人やペットがいる状態では使用しません。使用中は空間を空け、使用後に濃度が下がってから人が入る、という運用が基本になります。
オゾン発生器には、このような無人環境前提の業務用機器のほかに、有人環境での使用を想定した家庭用機器や、モードによって使い分けられる兼用機器もあります。濃度推移や使用後の待機を考えるときは、まず自分が使う機器がどのタイプかを確認することが出発点になります。
人が入る前の待機時間と換気を計画する
無人環境前提の機器を使った後は、濃度が有人環境の目安である0.1ppm以下に下がってから人が入る運用が基本です。前章で示したとおり、自然減衰だけでは0.1ppmまで下がるのに時間がかかります。
ただし、実際にかかる時間は、空間の広さ、噴霧時間、室温、換気の有無などで変わります。短い時間で下げたい場合は換気を取り入れる、濃度を測定器で確認する、といった対応が考えられます。具体的な使用時間や換気のしかたは、製品の取扱説明書や仕様で示された範囲に沿って運用することが前提になります。
オゾンガス濃度の推移から確認しておきたい観点
今回の検証を、自分の現場や用途に当てはめるときに確認しておきたい観点を整理します。
- 使用する空間の容積を把握しているか
- 使用する機器が、有人環境前提か無人環境前提か
- 使用後、人やペットが入る前の待機時間を見込めるか
- 濃度を早く下げたいときの換気手段があるか
- 濃度を確認する測定器など、確認の手段があるか
- 製品の取扱説明書で示された使用時間・換気の目安を確認したか
オゾンガス濃度は、一気に上がって緩やかに下がります。だからこそ、「使ったあと、いつ人が入れるか」をあらかじめ見込んでおくことが、無理のない運用につながります。今回のデータは一つの目安として、自分の空間の容積や換気の条件と照らし合わせながら活用してみてください。
ご購入いただいたお客様の声
よくある質問
オゾン発生器を使うと室内のオゾン濃度はどれくらいで下がりますか?
締め切った室内では、オゾンガス濃度は約1時間ごとに半減する傾向があります。今回の検証では、30分噴霧後に止めると、有人環境の目安0.1ppmまで約2時間40分、ほぼ0になるまで約3時間10分かかりました。空間の広さや噴霧時間、換気の有無で実際の時間は変わります。濃度計算シミュレーターで自分の空間の目安を確認できます。
オゾンガスとオゾン水で濃度の下がり方は違いますか?
水に溶けた状態と気体の状態では、濃度が下がる速さが異なると考えられます。オゾン水はおおよそ21分ごとに半減するとされる一方、今回の検証では締め切った室内のオゾンガス濃度は約1時間ごとに半減しました。状態によって減少のペースが違う点を踏まえると、使い方を整理しやすくなります。他の検証はオゾンラボでも紹介しています。
噴霧をやめた後にオゾン濃度が下がるのはなぜですか?
噴霧後に濃度が下がるのは、オゾンが酸素に戻る性質によるものと考えられます。オゾン(O3)は酸素分子に比べて不安定な気体で、時間が経つと自然に酸素へ戻っていきます。締め切った部屋で濃度が緩やかに下がるのは、この自然分解が主な要因です。壁や物への接触、空気中の成分との反応でも少しずつ消費されます。オゾン回収機能は必要かもあわせてご覧ください。
この検証結果は自分の部屋にそのまま当てはめられますか?
空間の容積が異なるため、数値をそのまま当てはめることはできません。オゾン濃度は同じ機器でも容積によって変わり、広い空間ほど低く、狭い空間ほど高くなりやすくなります。発生量÷容積÷2.14でおおよその目安を計算できます。噴霧時間や換気の有無でも推移は変わります。オゾンの人体への影響と安全性もご確認ください。
オゾンクラスター1400は人がいる部屋でも使えますか?
オゾンクラスター1400は、無人環境での使用を前提とした業務用オゾン発生器です。使用中は空間を空け、濃度が下がってから人が入る運用が基本になります。在室しながら使いたい場合は、有人環境に対応した家庭用や兼用タイプの機器を検討する方法があります。仕様は製品ページでご確認ください。
この検証はどこが行っているのですか?信頼できる内容ですか?
本検証は、オゾン専業のオゾンマートが自社で実施したものです。オゾンマートは2008年からオゾン製品を扱い、オゾン専業17年、導入実績は2万社を超えます。日本のオゾン発生器4大メーカーの1角として、山口県周南市の自社工場で開発・製造を行っています。検証は自社製品と濃度測定器を用いて実施しています。



