オゾン発生器を購入したが効果なし、にありがちなこと

「オゾン発生器を購入したが、効果がない」という人や、オゾン発生器の導入を考えていたが、ネットなどで「オゾン発生器を購入したが、効果がない」という情報をみて、不安を抱き、購入に踏み切れない方のために、「効果がない」の実態や効果が見られなかったケースについて詳しく紹介します。

過去にオゾン発生器で除菌や脱臭、ウイルス不活化を試みたが効果がなかった、あるいはその効果を体感できなかったとお問い合わせをいただく方に、このページの内容をご説明すると、かなりの割合で「効果がないと思っていたが、言われたことを確認したら効果が体感できました!」と、問題解決につながっています。
この種の不安を抱かれている方は是非参考にして下さい。

はじめにお伝えしておきますが、雨後の筍のごとくコロナ禍に販売され始めた「除菌グッズ」とはワケが違い、オゾン発生器は確実に除菌やウイルス不活化に効果があります。

それでも「どのような状況下でも100%効果を発揮する」わけではありません。

しかしながら、酸化力(=菌やウイルスをやっつける力)が非常に強い気体のオゾンを菌やウイルスにぶつけて分解作用を起こし、菌やウイルスを元から断つオゾンは、活性炭吸着脱臭法や物理的吸着法、あるいは光触媒などと比較しても、その効果やコスト面で圧倒的に優位性があることはまぎれもない事実で、またその裏付けがしっかりしているからこそ、日本全国多くの家庭や施設で利用されています。

当社が考える「オゾン発生器を購入したが効果がありませんでした」の実態はこうです。

「オゾン発生器は効果がない」の円グラフ
  • オゾンのメカニズムを理解しておらず正しい手順を踏んでいない
  • オゾン発生器に問題あり
  • オゾンが不向きなケース
  • 機器が故障している

1〜4、順を追って解説していきます。

1. オゾンのメカニズムを理解しておらず正しい手順を踏んでいない

メカニズム

オゾンが除菌・ウイルス不活化をするメカニズム

オゾンを室内空間に放出することで、悪臭を脱臭(悪臭の原因は雑菌の増殖)できたり、ウイルスを不活化してくれるのは簡単に言うと上の図のような仕組みです。

しかし、ここで勘違いしてはならないことがあります。

それは、「オゾンを放出しても、1つのOが2つのOから離れ、菌やウイルスにアタックするまで少し時間がかかる」ということです。

そのため、オゾンを用いた脱臭除菌作業では、「オゾンを放出→はい、おしまい」ではなく、オゾン放出後に必ず「待機時間」を設けます。待機時間は、オゾン発生器からオゾンが放出されず、停止状態でただ待つのみです。

たとえば、オゾン放出時間が20分であれば、その3〜4倍程度の時間である60〜80分程度待機するのが一般的です。
この待機時間は、放出したオゾンが空間に浮遊する菌やウイルスをやっつける大事な時間なので必ず確保して下さい。

逆に、この待機時間を確保せずにオゾンを放出しても、意味がないとは言いませんが、待機時間を設けたときと比較してその効果は雲泥の差になります。

「オゾン発生器は効果がない」と思っている方々は、この「オゾン放出時間の3〜4倍程度の待機時間」を設けていないのです。(実際に宿泊施設におけるマネジメントセミナーなどでそのようなケースは結構耳にしました)

それと、意外に多いケースが、オゾン発生器でオゾンを放出しているのに、外気を導入するような換気をバンバン回しているパターンです。せっかくオゾンを放出しても、そのオゾンが外気に漏れてしまい効果は大幅に低下します。オゾン発生器を使用する際は、換気せず、窓も閉めるなどして、なるべく密閉率を高める(オゾンをその対象空間に閉じ込めるイメージ)と効果的です。

今こちらを読まれている方は、しっかりと待機時間を設け、可能な限り密閉率を高めて、作業を行っていただければと思います。

2. オゾン発生器に問題あり

2022年現在、実に多くのオゾン発生器が販売されています。
当社では300を超える製品調査を行いました(2022.09時点)が、結構デタラメなオゾン発生器を販売している悪質な業者も少なくありませんでした。
たとえばAmazonなどではオゾン発生器のノウハウを持たない一部のショップ様が大変安価なオゾン発生器を販売しており、スペックに疑義が生じたり、あるいはスペックに耐えうる設計になっていないため故障率が高かったりします。

また、1.で述べたように正しい手順をとっているのに、それでもオゾンの効果がないと感じる場合、「実はオゾン発生器がメーカー公表のオゾンを発生していなかった」というのは稀にあるパターンです。

専門業者でない限り、オゾン濃度測定器など所有していないのが普通です。

オゾン発生器を販売するメーカーやショップが「この機器のオゾン発生量は◯◯mg/hrです」と公表していても、正直それが正しい数値なのか調べる術がありません。

もう10年以上前の話しですが、2009年、国民生活センターが「家庭用オゾン発生器は安全が担保されないから買わない方がいい」という趣旨の発表をしました。

国民生活センターの当時の発表について

この誤った発表はここ数年でようやく削除されましたが、2009年に公表されてから10年近く放置されていました。

オゾン発生量の表示

出典:国民生活センター

3. オゾンが不向きなケース

他の方法と比較してもっとも万能型といわれるオゾンですが、「どのようなケースでも完璧に高い効果を期待できる」というわけではありません。

オゾンが苦手とするものをご紹介します。

ニオイの種類としては、「ペンキ」「灯油」「お香」などが苦手です。
これは、オゾンが得意とするものと比較して、「効果が低い」という意味で、効果がないということではありません。

物質として苦手なものは、芳香族炭化水素があげられます。

ベンゼン環をもつ炭化水素を芳香族炭化水素というわけですが、芳香族炭化水素には、ベンゼンの原子が置換したトルエンやキシレンや、ベンゼンが2個結合したナフタレンなどがあります。

逆に、オゾンが得意(脱臭の効果が高い)とするニオイの種類は、「タバコ臭」「火災臭」「嘔吐物臭」「カビ臭」「汗・体臭・加齢臭」「糞便臭」「尿臭」「葉巻」「香水」「アロマオイル」などがあげられます。

物質として得意なものは、アンモニア、硫化水素、メルカプタン、アミン類、インドール類、アルデヒド類、低級脂肪酸、ノネナールなどがあげられます。ここまで苦手なものが少なく、広範囲に効果を期待でき、安全性が高いのはオゾン以外にありません。

つまり、たとえば、葬儀関連業者のご担当者様が「脱臭にはオゾンがいい」と聞き、お香のニオイを一生懸命に脱臭しようとしても、そこまで大きな脱臭効果は期待できないわけです。

4. 機器が故障している

「実は故障していた」というケースも少なくありません。

よくあるパターンは、「購入直後はオゾンのニオイがしたが、数ヶ月後にはオゾンのニオイがあまりしなくなった」というものですが、この場合、オゾンを発生させる放電管(オゾン発生体)が故障してしまい、オゾンを発生していない確率が高いです。

つまり、「放出していると思っていたオゾンが実は機器の故障によって放出されていなかった」というパターンです。
当たり前ですが、これではいくら正しい手順で作業を行っても効果はありません。

オゾンのニオイを少し嗅いでも何ら人体に害はありませんので、オゾン発生器からオゾンがちゃんと放出されているか手で仰ぐなどしてたまには確認してみましょう。
※業務用オゾン発生器は、無人環境で行うことを想定した機器です。あくまでも確認のために少しだけそのニオイを嗅ぐだけにして確認が終わったら速やかに退出して下さい。

オゾンが有効なケースは非常に多く、機器が故障しておらず、メーカーのオゾン発生量に誤りがなく、オゾン放出時間の3〜4倍程度の待機時間を設け、またオゾン作業中は、なるべく空間の密閉率を高めるなどして、正しい作業手順で行えば、かなりのケース、かなりの確率で高い効果を期待できるはずです。

「オゾン発生器は効果がない」と思ったら、まずはこのページに書かれている可能性を疑い、そこで何か問題が発覚したらその問題をしっかり解決して、改めてしっかりと作業の準備を整え、正しい手順で作業に臨んでみましょう。

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