オゾンによる殺菌・脱臭の仕組みやメリット・人体への安全性などを解説
医療現場などでは、室内の除菌や脱臭にオゾンを活用するケースが増えています。
この記事では、オゾンを使用した除菌のメカニズムや具体的な効果、得られるメリットなどを解説します。
また、オゾンが人体に影響を及ぼすのか、安全性なども解説しているので、オゾンを用いた除菌や脱臭を検討している人は参考にしてください。
さまざまな業界で使用されているオゾン除菌とは
まずは、オゾンは何を指しているのか、オゾン除菌とは何かを、以下で詳しく解説します
オゾンとは
オゾンとは、ギリシャ語の「Ozein(臭う)」に由来している気体の名称です。
地上にあるオゾン層は、オゾンによって形成されています。オゾンは、身近にある自然環境にも存在しています。
強い除菌効果が期待されている
オゾンは、短時間で空気中の細菌や微生物などを殺菌できます。
空気や酸素が原料になるため、二次公害の心配はありません。
オゾンの除菌装置は医療現場だけでなく、食品工場や上下水処理施設などで使用されています。
オゾンによる除菌の仕組みと空気清浄機との違い
オゾン除菌のメカニズムや空気清浄機との違いについて、以下で解説します。
オゾンによる除菌の仕組み
オゾンは3つの酸素原子が結びついたもので、化学式で表すとO3です。
2つの酸素原子が結合してできるO2(酸素)に比べ、オゾンは不安定な特徴を持ちます。
オゾンを空気中に放出すると、不安定なオゾンの酸素分子が空気中の臭い物質と結合し、酸化させて破壊します。したがって、空気中には酸素のみが残ります。


空気清浄機との違い
空気清浄機は、空気中のホコリや花粉などの異物をフィルターで取り除き、きれいな風を室内に排出するための家電です。
一方、オゾン発生器はオゾンの殺菌・脱臭効果を活かして、空気中の細菌や臭い物質を分解する役割があります。
オゾン除菌に期待される5つの効果
オゾン除菌には、5つの効果が期待されています。
以下では、オゾン除菌に期待されている主な効果を解説、導入事例をご紹介します。
1.細菌・ウイルスの除去
オゾン除菌で期待される効果は、細菌やウイルスの除去です。
オゾンは細菌やウイルスを不活性化させるため、感染症のリスクを軽減できます。
また、オゾン除菌は酸化によって分解することから、新型コロナウイルス感染症への対策にも有効と考えられています。

2.気になる臭いの脱臭
オゾン除菌をすることで、室内の気になる臭いの脱臭効果も期待されています。
空気中の臭い物質と酸素分子が結合して酸化分解するため、臭いの元から取り除けます。
オゾン除菌なら、短時間での消臭も可能です。

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アパホテル(宇都宮駅前)様
導入事例をチェック3.防カビ
オゾン除菌は、カビ対策にも有効です。
カビは胞子を放出して繁殖する特徴があります。
オゾン除菌によってカビの胞子を分解することで、カビの繁殖を予防できると考えられています。

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共同冷蔵株式会社 様
導入事例をチェック4.花粉・PM2.5などの除去
オゾン除菌によって、花粉やPM2.5などの有害物質の除去効果も見込めます。
オゾンの酸素分子が花粉やPM2.5と融合し、不活性化することで表面の細胞膜を破壊します。
5.虫よけ
オゾン除菌を利用すると、コバエ・ダニ・ゴキブリなどの虫の繁殖を抑制させることも可能です。
虫が放出するフェロモン物質や糞尿などは、虫を寄せつけやすくなります。
オゾンを用いて酸化分解することで、虫よけ効果を期待できます。

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導入事例をチェックオゾンを用いて除菌するメリット5つ
オゾン除菌を導入すると、主に5つのメリットを得ることができます。
以下では、それぞれのメリットについて解説します。
1.強力な酸化分解力がある
オゾン除菌を導入するメリットは、さまざまな細菌やウイルス、臭い物質などを酸化分解できることです。
空気中に細菌などが浮遊している室内でオゾン除菌を行うことで、細菌の細胞壁や細胞膜を破裂・分解します。
また、低濃度のオゾンを使用した場合でも、短時間での酸化分解が可能です。
2.排出対策がいらない
排出対策を考える必要がないことも、オゾン除菌を導入するメリットです。
オゾンによって酸化分解された後も、有機塩素化合物などの有害物質が生成されません。
処理後も水に残留する心配がないため、水道水の除菌に利用している国もあります。
3.薬剤などを用意する必要がない
オゾン除菌は、薬剤を用意する必要がありません。
オゾン発生器は空気中の酸素を原料にしてオゾンガスを生成するため、薬剤の準備や管理は不要です。
薬剤を購入しない分、コストの削減も可能となります。
4.家庭用コンセントで使用できる
オゾン発生器は、専用の設備や設置工事が必要ありません。
家庭用のコンセントを電源にできるため、場所を選ばずに使用できます。
オゾン発生器の種類によって異なりますが、電気代やフィルター代のみのコストしかかからない場合もあります。
5.簡単に操作できる
オゾン発生器は操作が簡単です。掃除機や空気清浄機などと同様にスイッチを入れるだけで稼働します。
また、稼働中のプロセスは自動で制御されるため、難しい操作を覚える必要もありません。
オゾンの発生方法

オゾンを発生させる方法は、主に3つに分類されます。以下では、3つの発生方法を解説します。
無声放電方式
無声放電とは、2つの電極の間に誘電体を挟んで高電圧を通電させる放電現象を指します。
無声放電方式は、放電現象を利用して空気や酸素からオゾンを発生させる方法です。
無声放電方式を用いた場合、比較的多くのオゾンを発生させることができます。
短時間で効率よくオゾンを発生させるなら、無声放電方式のオゾン発生器がおすすめです。
電気分解方式
電気分解方式とは、2つの電極の間に高分子の電解質膜を挟み、水を電気分解することでオゾンを発生させる方法です。
通常の水の電気分解では、水から水素と酸素を生成させますが、電極に二酸化鉛を挟んで電気分解すると、酸素と高濃度のオゾンを発生させることができます。
紫外線照射方式
紫外線照射方式とは、空気中に紫外線を照射してオゾンを発生させる方法です。
紫外線のなかにはオゾンを生成させる波長の光線と、分解する波長の光線があります。
空気中に紫外線を照射すると、酸素によってオゾンが分解されやすくなるため、生成量は比較的少量になりやすいです。
オゾンの殺菌効果を用いた脱臭方法
オゾンの除菌効果を利用して脱臭した後は、さまざまな方法で残存したオゾンを分解できます。
以下では、主な4つの分解方法を解説します。
活性炭吸着分解法
活性炭吸着分解法とは、活性炭を利用して残存するオゾンを吸着・分解する方法です。
具体的には、活性炭にオゾンを蓄積した際の発熱反応を利用して酸素に分解されます。
活性炭吸着分解法は、活性炭の交換のみでメンテナンスできます。
加熱分解法
加熱分解法は、高温で加熱することでオゾンを分解する方法です。
加熱分解法には、燃焼式とヒーター式があり、どちらの方式を選んだ場合でも、高温で加熱するほどオゾンの分解速度は速まる傾向にあります。
接触分解法
接触分解法は、シリカや酸化ニッケルなどの触媒の充填層に、オゾンを通過させて分解する方法です。
一般的に、高温の環境下で分解されますが、微量のオゾンなら室温でも分解できます。
一部の大型のコピー機では、発生するオゾンを分解するために接触分解法を用いています。
薬液洗浄法
薬液洗浄法とは、オゾンを薬液に通過させて分解する方法です。
一般的に、アルカリ洗浄法とも呼ばれています。
オゾンの分解に使用される薬液は、水酸化ナトリウムなどを溶かしたアルカリ水溶液です。
薬液のpH値が大きいほど、オゾンの分解速度が速まるといわれています。
ただし、溶液中の炭酸イオン濃度が高くなると分解が阻害されるため、速度は遅くなる傾向にあります。
オゾン除菌・脱臭の活用例

オゾン除菌はどのようなシーンで活用できるのか、気になる人もいるでしょう。
以下では、オゾン除菌・脱臭の活用例を紹介します。
浴室やトイレの除菌・脱臭
オゾン発生器は、浴室やトイレなどの水回りを除菌・脱臭したい場合に有効です。
空気を原料にしてカビの胞子や空気中の臭い物質を酸化分解します。
オゾン除菌は、塩素よりも強い除菌効果が期待されています。
客室・居室の殺菌・脱臭
オゾン除菌は、子どもから高齢者までさまざまな年代の人が利用する宿泊施設や、介護施設などの客室・居室の除菌・脱臭も可能です。
オゾン発生器を利用すれば、短時間で除菌・脱臭作業を行えます。
食材の水洗・殺菌
オゾン除菌は食材の下処理が必要なシーンでも活用できます。
食品工場や調理施設などで、水洗・除菌が必要な食品にも安心して使用できます。
オゾンは、野菜や果物の鮮度を保持する効果も期待されているため、食品を扱う場所での導入もおすすめです。
機材の殺菌・脱臭
オゾンは、機材の除菌・脱臭にも利用可能です。
オゾンは気体のため、パソコンなどの精密機器がある場所でも気軽に使用できます。
ペット臭の脱臭
オゾンはペットの臭いが気になる場所にもおすすめです。オゾン除菌は、人やペットの体臭や排せつ物の臭いなども酸化分解してくれます。
オゾン除菌を利用すれば、室内の空気をきれいに保つことができます。

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オゾン除菌の人体への安全性
オゾン除菌を導入する際に、人体に影響がないのか気になる人もいるかもしれません。
ここでは、人体への安全性について解説します。
低濃度のオゾンは人体に影響を及ぼすことはない
オゾンには特有の臭いがあり、室内に残存すると臭いが気になる人もいるでしょう。
窓を閉め切った空間でオゾンを発生させると、気分が悪くなる場合もあるため注意が必要です。
ただし、低濃度のオゾンであれば、人体に影響を与えることはありません。
[ 参考記事 ]
オゾンの人体に対する影響について|オゾンは人体に有害なのか?
高濃度のオゾンは人体に影響が出る場合がある
低濃度のオゾンは人体に影響を及ぼしませんが、高濃度のオゾンは体調不良や病気になるリスクが高まります。
オゾンは水分に吸収されにくいため、呼吸器系に蓄積すると肺水腫などの呼吸器障害を引き起こしやすくなります。
オゾンの除菌・脱臭効果を活用した機器を使用する場合は、目的や環境に合った製品を選ぶようにしましょう。
[ 参考URL ]
消臭・除菌目的でオゾン発生器を使用する際のオゾン濃度の目安オゾン濃度の計算(シミュレーター)
まとめ
オゾンは、細菌やウイルス、臭い物質などを酸化分解する力があり、空間の除菌・脱臭が可能です。
空気・酸素が原料になるので、薬剤の準備・管理や二次公害の心配も不要です。
ほかにも、防カビや花粉・PM2.5などの除去、虫よけなどの効果も期待されています。
低濃度のオゾンは人体に影響はないものの、高濃度のオゾンが発生すると、体調不良や病気などのリスクが高まるので注意が必要です。
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