オゾンコラム

車のオゾン脱臭はどこまで効く?臭気測定器で検証した結果

車のオゾン脱臭はどこまで効く?臭気測定器で検証した結果

業務用オゾン発生器「オースリークリア3」で車内の脱臭作業を行い、臭気測定器を使って作業前・作業直後・24時間後の臭気数値を実測しました。結果は、作業前212→直後33→24時間後37。この記事では、検証の手順と数値の読み方を紹介したうえで、この結果を自分の車に当てはめるときの前提条件と確認ポイントまで整理します。

車のオゾン脱臭の効果を臭気測定器で検証した目的と設計

車内のニオイ対策としてオゾン発生器を検討するとき、多くの人が気になるのは「本当に効果があるのか」という点です。ニオイの感じ方には個人差があり、体感だけでは効果を判断しにくいのが実情です。そこで今回は、臭気を数値化できる臭気測定器を使い、オゾン脱臭の前後で車内の臭気がどう変化するかを検証しました。

検証の流れは次のとおりです。

  1. 脱臭作業前の車内の臭気を測定する
  2. オースリークリア3で車内の脱臭作業を行う
  3. 作業後の臭気を測定する
  4. 約24時間後に再度測定し、ニオイ戻りがないかを確認する

検証に使用した機器と測定器

脱臭に使用したのは、業務用オゾン発生器のオースリークリア3です。このほかに、密閉率を高めるための養生テープと、シガーソケット延長ケーブルがあれば作業できます。付属のシガーソケット専用プラグは約200cmのため、駐車場など電源が取りにくい場所では長めの延長ケーブルがあると安心です。

臭気の測定には、新コスモス電機株式会社の「ポータブル型ニオイセンサmini XP-329m」を使用しました。検証に使った車は禁煙車ですが、カーエアコンが原因と思われるカビ臭と、車内で使っていた芳香剤の香りが混ざり合い、いかにも「車内っぽいニオイ」がする状態でした。

臭気測定器「XP-329m」
新コスモス電機株式会社「ポータブル型ニオイセンサmini XP-329m」

測定の前提|「脱臭」と「消臭」の違いと臭気数値の見方

「脱臭」と「消臭」は似た言葉ですが、意味には違いがあります。脱臭は、活性炭などの吸着剤にニオイをくっつけるなど、臭気を物理的に除去または緩和することです。消臭は、ニオイ物質と消臭成分を化学反応させるなど、化学的な作用で臭気を除去または緩和することです。オゾンは強い酸化力でニオイ物質そのものを分解するため、この記事では「脱臭」という言葉を使います。

臭気数値の目安

今回の測定では、まず車外の空気を基準の「0」に設定しました。つまり数値0は、車外の空気と同じ程度ということです。数値の目安は次のとおりです。

数値0にした臭気測定器
車外の空気を基準「0」に設定してから測定を開始
数値 内容
1〜50 正常(人によっては無臭と感じる)
51〜100 少し臭う
101〜150 多くの人がそのニオイを感じる
151〜200 臭い
201〜300 耐え難い臭気で、多くの人が長時間その場にいられない
301〜400 臭気の種類によっては健康被害を受けることも
401〜600 車の排気ガスが出るマフラー周辺
601〜800 長時間放置した生ゴミ
801〜 強烈なニオイ

注意したいのは、この数値はあくまで「臭気の強さ」だという点です。良い香りと悪臭を区別しているわけではないため、芳香剤を使っていればその臭気も数値として拾います。また、人間の嗅覚では何のニオイも感じない空間でも20〜50程度を示すことが多く、厳密に測ると「臭気0」になるケースはほとんどありません。

嗅覚の「慣れ」と測定器を使う意味

人間の嗅覚には「慣れてしまう」という弱点があります。実際、今回の検証車にいつも乗っている担当者は、ニオイをほとんど感じていませんでした。一方で、普段この車に乗らない5名にニオイを嗅いでもらったところ、5人中5人が「臭い」または「乗りたくない」と回答しました。測定器で数値化することで、慣れによる「臭いものを臭くないと誤判断してしまう」ことを避けられます。

脱臭作業前の準備と作業前の臭気測定

オゾン脱臭の前には、まず車内を清掃することをおすすめします。あわせて、消臭剤や芳香剤は作業が終わるまで車外に出してください。悪臭の発生原因になっている物があれば、それも一時的に車外に出すか処分します。原因を残したままオゾン脱臭をすると、効果が大きく下がってしまうためです。

車内清掃する様子

準備が整った段階で、まず何もしていない状態の車内の臭気を測定しました。結果は「212」でした。目安表に当てはめると、ほとんどの人が嗅覚で感知できる、かなり強い臭気レベルです。実際にニオイをはっきり感じたため、測定器の数値と嗅覚に大きなずれはないと判断できます。なお、参考として車の排気ガスが出るマフラー周辺を測定すると、臭気レベルは471でした。

車内の臭気「212」
脱臭作業前の車内の臭気数値は「212」

オースリークリア3を使った車内脱臭の手順

脱臭に使用するオースリークリア3は、自動車業界で長く使われてきたオースリークリア2の後継機にあたる業務用オゾン発生器です。ここからは、効果を引き出すための作業手順を順番に紹介します。

オースリークリア3

電源の取り方とチューブの引き込み

オースリークリア3本体は車外に置き、付属のシガーソケット専用プラグで電源を取ります。コードは、ドアの下側から車外へ逃がすのが基本です。車のドアにはゴムパッキンがあるため、ドアを閉めてもコードが断線する心配はほとんどありません。車高の高いRV車やワゴン車、トラックなどでは、シガーソケット延長ケーブルを使うと余裕を持って設置できます。

電源をシガーソケットに接続
オースリークリア3の設置方法
コードはドア下から車外へ逃がして設置する

本体のオゾン放出口に付属のチューブを差し込み、チューブの先端を窓から車内へしっかり引き込んだら、窓をぎりぎりまで閉めます。窓の隙間は養生テープでふさぎ、密閉率を高めます。テープがチューブに付くとベタつきが残るため、チューブにはなるべく触れないように貼るのがコツです。

チューブを車窓から出す様子
養生テープで密閉率を上げる様子

【注意】窓を閉めすぎてチューブが潰れると、オゾンの通り道が狭くなってしまいます。下の写真のような状態にならないよう、窓の閉め具合を調整してください。

失敗例
失敗例:チューブが潰れてオゾンの通り道が狭くなっている

内気循環でエアコン内部にもオゾンを行き渡らせる

車のエンジンをかけ、エアコンは切り、送風を内気循環でONにします。風量は弱がおすすめです。こうすると車内に適度な空気の流れができるとともに、オゾンがエアコン内部にも循環します。エアコン内部はカビ臭の原因になりやすい場所のため、車内とあわせてオゾンを行き渡らせる狙いがあります。

オゾン放出時間と待機時間の設定

今回は、オゾン放出時間を10分、待機時間を30分に設定しました。臭気の度合いにもよりますが、この機種を車で使う場合、放出は5〜10分、待機時間は放出時間の3〜4倍が目安です。オースリークリア3の待機時間の設定単位は「0・1・1.5・3・6時間」のため、今回は1時間に設定して稼働させ、30分経過を時計で確認する形にしました。

参考として、オースリークリア3のオゾン発生量は600mg/hrで、車内程度の空間なら5〜10分の放出で車内のオゾン濃度を0.5〜1.2ppm程度にできるとされています(実測値に基づく目安です)。

オースリークリア3は、オゾン放出と待機を電源を切るまで繰り返す「サイクル運転」方式です。よほど臭気レベルが強いケースでなければ、1〜2セットで十分でしょう。1セットで終える場合は、待機時間の設定を「0」にしておくと、1回目の放出後に自動で電源が切れます。

なお、ここで作業を終えてはいけません。オゾン脱臭は、放出してすぐに効果が出るのではなく、放出されたオゾンが臭気の原因物質を分解する時間が必要です。放出直後にドアや窓を開けると、オゾンが外気に触れて酸素に戻ってしまい、十分に作用する前に効果が失われます。待機時間は、オゾンに仕事をしてもらう時間と考えて、焦らず待ちましょう。

脱臭直後と24時間後の臭気測定結果

待機時間の30分が経過した直後に、車内の臭気を測定しました。結果は次のとおりです。

臭気測定結果(脱臭直後)

作業前 212 → 作業直後 33

脱臭直後の車内の臭気「033」
脱臭直後の車内の臭気数値は「33」

通常、この段階ではオゾン特有のニオイ(オゾン臭)が車内に残っており、測定器がそれを拾って70〜100程度を示すことが多いです(複数台の車両を測定してきた経験によるものです)。今回は33まで下がっており、オゾンの量と臭気の原因量のバランスがうまく合った結果と考えられます。

作業後は換気を行います。エアコンの内気循環を外気導入に切り替えると、換気時間を短くできます。オゾンはもともと不安定な物質で、時間が経つと酸素に戻ります。オゾン臭がしなくなった時点で、オゾンは酸素に戻ったと判断して問題ありません。ただし、密閉されたままの空間では時間がかかるため、必ず換気とセットで考えてください。

さらに約24時間後、ニオイ戻りがないかを確認するために再度測定しました。

臭気測定結果(24時間後)

脱臭直後 33 → 24時間後 37

脱臭24時間後の車内の臭気「037」
24時間後の臭気数値は「37」でニオイ戻りなし

数値はほぼ変わらず、今回の検証ではニオイ戻りは確認されませんでした。

結果の考察|数値から読み取れること

臭気測定結果まとめ

今回の検証結果を整理すると、作業前212(強い臭気)→直後33→24時間後37となり、作業後はどちらも30台でした。目安表では「正常」の範囲で、人間の嗅覚ではほぼ無臭といえる水準です。

ニオイ戻りが見られなかった点は、オゾンの作用の仕方と関係していると考えられます。芳香剤や多くの消臭アイテムは、ニオイを別の香りで覆ったり感じにくくしたりする方法のため、原因物質が残っていれば時間とともに再びニオイを感じやすくなります。一方オゾンは、臭気の原因物質そのものを酸化分解するため、原因が残りにくく、ニオイ戻りが起きにくいと読み取れます。

ただし、これは「脱臭した時点の臭気が戻りにくい」という話です。その後も車内清掃をせず、以前と同じ使い方を続ければ、数週間から数ヶ月かけて臭気は再び上がっていきます。定期的な清掃や換気とあわせて運用することが、良い状態を保つ前提になります。

この検証結果を自分の車に応用するときの前提条件

今回の数値はあくまで「この車・この条件」での結果です。自分の車に当てはめる際は、次の前提を押さえてください。

まず、機器の使用条件です。オースリークリア3は、無人環境での使用を前提とした業務用オゾン発生器です。作業中から換気が終わるまでは、車内に人やペットがいない状態で運用します。なお、これはこの製品カテゴリの前提であり、オゾン発生器全般が無人専用というわけではありません。家庭用や業務用・家庭用兼用の機器には、別の使用前提を持つ製品もあるため、機器ごとの仕様を確認してください。

次に、臭気の種類と程度による差です。今回はカビ臭と芳香剤の複合臭でしたが、タバコ臭やペット臭など、シートや内装に深く染み込んだニオイでは、1セットで同じ水準まで下がるとは限りません。臭気が強い場合は、清掃を丁寧に行ったうえで、サイクル運転で複数セット行うことを検討します。

また、車内の密閉度や容積も結果に影響します。今回の手順で養生テープによる密閉を行ったのは、車内のオゾン濃度を保つためです。同じ機器でも、広い空間や換気の多い環境では条件が変わる点に注意してください。

車内のオゾン脱臭を始める前に確認したいポイント

最後に、今回の検証を踏まえた確認ポイントを整理します。

  • ニオイの原因になっている物を取り除き、車内を清掃したか
  • 芳香剤や消臭剤を作業前に車外へ出したか
  • 使う機器の使用条件(無人前提か、在室可能か)を仕様で確認したか
  • 作業中、車内に人やペットがいない状態を確保できるか
  • チューブが潰れず、窓の隙間を養生できているか
  • 放出時間だけでなく、待機時間(放出の3〜4倍が目安)を確保したか
  • 作業後にしっかり換気し、オゾン臭が残っていないことを確認してから乗車するか

車内のニオイ対策は、体感だけに頼ると判断を誤りやすいテーマです。今回のように作業前後の変化を数値で確認できると、効果の有無も、追加の作業が必要かどうかも判断しやすくなります。車内の臭気に悩んでいる方は、まずニオイの原因と機器の使用条件を整理したうえで、正しい手順でのオゾン脱臭を検討してみてください。

よくある質問

オゾン発生器で車内のニオイはどのくらい減りますか?

今回の検証では、臭気数値が作業前212から直後33まで低下しました。業務用オゾン発生器オースリークリア3でオゾン放出10分・待機30分の作業を行い、臭気測定器XP-329mで測定した結果です。臭気の種類や車内環境によって結果は変わるため、この条件での参考値としてご覧ください。車内のニオイの原因と脱臭に効果的なオゾン発生器

オゾン放出後の待機時間はなぜ必要ですか?

放出したオゾンが臭気の原因物質を分解する時間を確保するためです。放出直後にドアや窓を開けると、オゾンが外気に触れて酸素に戻り、十分に作用する前に効果が失われます。車内で使う場合は、放出時間の3〜4倍を目安に待機し、その後しっかり換気してから乗車してください。

オゾン脱臭のあとにニオイ戻りはありますか?

今回の検証では、24時間後も臭気数値はほぼ変わりませんでした。脱臭直後の33に対して24時間後は37で、ニオイ戻りは確認されませんでした。オゾンは臭気の原因物質そのものを酸化分解するため、原因が残りにくいと考えられます。ただし、清掃をしないまま使い続ければ臭気は徐々に上がっていきます。中古車業界でオゾン発生器が使われている理由とは?

作業中に車内に人やペットがいても大丈夫ですか?

オースリークリア3は無人環境での使用を前提とした業務用機器です。作業中から換気が完了するまでは、車内に人やペットがいない状態で運用してください。オゾン臭がしなくなれば、オゾンは酸素に戻ったと判断できます。なお、オゾン発生器は製品カテゴリごとに使用前提が異なるため、仕様の確認が大切です。オースリークリア3の製品ページオゾン発生器の製品一覧

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